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コンピュータ将棋・将皇と戦ってみた

第2回電王戦もあと1週間に迫ってきた。個人的にはプロ側に人間の意地を見せてもらいたいと思っているが、コンピュータ将棋も強い。結果はどうなるだろうか。正直見当もつかないといったところである。

今回は、将皇というプログラムと戦ってみたので棋譜を紹介したい。ダウンロードしなくてもネット上で対戦できるので、気軽に楽しむことができる。

将棋ソフト 将皇 http://www14.big.or.jp/~ken1/application/shogi.html

このプログラムの特徴は、指し手が人間っぽいのである。定跡形から自然な指し手を繰り出してくる。コンピュータ特有の不自然な手があまりない。違和感なく将棋を指すことができるのだ。おそらく開発者も相当苦労して作ったのではないだろうか。この点が一番の魅力である。
レベルもなかなか高く、有段者でも歯ごたえのある相手である。油断していると負かされてしまう。

今回は最強のレベル3と対戦した。中盤から攻めに出たものの、しぶとく受けられて苦戦してしまった。100手目△6六桂と打たれた辺りではこちらが悪そうだ。その後なんとか勝ったものの、183手の激戦であった。












B級1組・井上慶太九段無念の降級・・・

B級1組順位戦が行われ、降級は既に決まっていた中田宏樹八段と、最終局で敗れた井上慶太九段となった。両者とも3勝9敗。また昇級は11勝1敗の行方尚史八段と、10勝2敗の久保利明九段。


自力での残留を懸けた井上九段は丸山忠久九段と対戦。丸山九段の得意な角換わりを堂々と受けて立った。だが先手に巧みに攻められ、苦しい展開に。第1図は次に先手から▲3三歩成とされるとほぼ受けなしとなる。一方後手は龍を作っているものの穴熊玉が遠く、あと一歩決め手がない。

第1図

第1図以下 △4九角 ▲8八歩 △8二竜 ▲3九飛 △4二竜 ▲4九飛 △3四銀(第2図)

第2図

△4九角は次に△7六角成のような手を狙ったものだろう。だが▲8八歩が冷静な受け。さすが本家の激辛流である。だが井上九段はあきらめない。龍を自陣に引き上げ先手の攻め駒を一掃し、入玉を目指す。この辺りはまさに残留への執念である。

第2図以下 ▲3五金 △3三金 ▲1五歩 △同歩 ▲1四歩 △同玉 ▲3六角(第3図)

第3図

第2図は後手玉がまだ広く、大変な形勢に思えたが、▲3五金から▲1五歩の組み合わせが好手だった。3五に金を置いておくことによって、後手玉がいっぺんに狭くなってしまっている。最後の▲3六角が決め手で、以下いくばくもなく後手の投了となった。

今期順位戦は関西勢の活躍が目立っていた。また、井上門下の稲葉陽六段と菅井竜也五段が昇級するなど、嬉しい話題が多かった。それだけに師匠の井上九段が降級してしまったのは残念であった。

居飛車奇襲戦法 (将棋必勝シリーズ)







囲碁・井山本因坊が史上初の六冠王に!!

私は囲碁はほとんどわからない初心者なのだが、ビッグニュースが飛び込んできたので取り上げたい。

井山裕太本因坊、初の棋聖を獲得…史上初の六冠
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20130314-OYT1T00947.htm?from=top

囲碁界のトップ棋士の井山裕太さんが棋聖を獲得して、史上初の六冠になった。
囲碁界にも全部で7つのタイトルがあり、残るタイトルの名人位を獲得すると、空前絶後の7冠制覇となる。1996年、将棋界は羽生善治七冠の誕生で空前のブームとなったが、囲碁界にもそれと同じような流れが来ているようだ。

一つの競技で同じ人が勝ち続けるというのは大変困難である。トップに立つ人は目標にされ、研究されてしまう。計り知れない重圧を感じることもあるだろう。その中で勝ち続けるのは、抜きん出た実力と、人並み外れた精神力がないとできないことだ。とても偉大なことである。前人未到の七冠への挑戦が楽しみだ。

余談だが井山さんの奥様は将棋の室田伊緒女流初段である。将棋世界の最新号には2人の対談が掲載されている。興味のある人はぜひ読んでみてください。




詰め将棋の効能・その2

詰め将棋を解くことによって学べることはいろいろあるが、その中でも大きいのが、詰みの形がわかるようになることである。

将棋は9×9の限られた盤の中で行われる。駒の動きもあらかじめ決まっている。だから王様を詰ますときも、ある程度パターンが限られてくる。

そのパターンを知っているのと知らないのでは大違いである。あらかじめ知っておくことによって、実戦の際に短い時間であっという間に詰ますことができるのだ。この差はかなり大きい。これは読みというより、知識の違いである。

代表例として、詰みの形を3つあげてみる。

第1図

第1図は一間竜と呼ばれる形。後手が2一に合い駒をしても▲2二金と打って詰む。有名な形で、実戦でも頻出の手筋である。

第2図

第2図は金頭桂という手筋。△3三同金と取らせて▲2二金で詰みである。これは知らない人はなかなか指せない。受けの側もうっかりしやすい。これがわかると、初心者卒業と言っていいかもしれない。

第3図

第3図は飛車による空き王手である。これで合い駒も利かず、玉も逃げられないのでこの瞬間に詰んでいるのだ。

とりあえず3つほど例をあげたが、実際にはもっとたくさんのパターンがある。これらを一つずつ覚えるのが大事。
初心者のうちはいくら時間がかかっても構わない。慣れてくると、徐々に複雑な形の詰みも読み切れるようになってくる。そうやって実力をアップさせていくのだ。


ちなみにアマチュアでも有段者の人は上の3つの図が詰みだということを一瞬で認識できる。手を素早く読んでいる訳ではなく、あらかじめ詰みの形を知っているのだ。こういう形になれば詰み、というパターンをたくさん知っていて、瞬時に当てはめることができるのである。だから簡単な3手詰めなら、有段者ならそれこそ1秒で答えられる。
繰り返すが、パターンを覚えていくことが上達への道である。それには詰め将棋を解くことが最適である。

3・5・7手実戦型詰将棋―基本手筋をマスターし、級から段へ







C級1組は稲葉陽・村山慈明が昇級

C級1組順位戦は共に9勝1敗で稲葉陽六段と村山慈明六段が昇級となった。稲葉六段はかつて棋聖戦で挑戦者決定戦まで進出したことがある。村山六段も3期連続で王位リーグ入りしており、共に実績じゅうぶん。実力者が揃って昇級となった。

これまで棋界は羽生世代と渡辺明竜王を中心に回ってきた。だが、渡辺竜王より下の世代も、少しづつ伸びてきているようだ。来期の順位戦で20代の棋士はB級1組に広瀬章人七段と豊島将之七段。B級2組に佐藤天彦七段、戸辺誠六段、稲葉六段、村山六段。期待の若手がクラスを上げてきて、いよいよ上位陣と争うところまできつつある。

これからは若手同士の争いも本格化してくるはず。「渡辺以降の世代」に注目である。

マイナビ将棋BOOKS 横歩取り必勝ガイド







LPSA問題について・その3

LPSAは公式戦の成績において連盟の女流に押され気味で、苦しい状況である。だが、実力だけが全てという訳でもない。では、人気・知名度という点はどうなのだろうか。

今年1月末のボイコット騒動は、ネット上でも様々な反響を集めた。だが、大多数の反応は、連盟側を支持し、LPSAを非難するものであった。これは少々予想外である。通常、判官びいきもあり、大きな組織の側が非難されることが多いからだ。

改めて考えてみると、LPSAはあまりにも知名度がないのである。将棋ファンでも実態を理解していない人が多い。これが致命的な欠点なのではないか。スポーツの世界でも新団体を立ち上げるときは、既存の団体と比べて飛び抜けた話題性・魅力がなければ、世間は見向きもしてくれないのである。

将棋ファンはたいてい、雑誌の将棋世界や連盟のホームページ等で情報を得る。これは当然、連盟側からの情報発信である。また、テレビのNHK杯や男性タイトル戦の大盤解説を見ることも多いだろう。今話題のニコニコ生放送にも多数の視聴者がいる。しかしそこに出ているのは全て連盟側の女流棋士なのである。だがこれは当たり前のことである。わざわざ組織から出て行った他団体の人を使う理由はない、というのが普通の感覚だろう。

では、LPSAは自分たちを知ってもらうための努力をどのくらいしているのだろうか?残念ながら、そういう姿勢が全く見えないのである。ボイコットの件に関しても、ほとんどの女流が他人事で、何も語ろうとしない。少しでも正直な気持ちを述べてくれれば、将棋ファンの人たちも共感できる部分があるかもしれない。だが、それをしようとしないのである。結局理屈云々よりも、将棋ファンの理解を得られていないというのが全てのような気がしてしまう。

前回の記事

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詰め将棋の効能・その1

将棋の上達法の一つに、詰め将棋というものがあります。
いつでも空いた時間に取り組むことができ、終盤力の強化に非常に効果的な方法と言えます。

ところが、将棋愛好家の中には、詰め将棋は考えるのが面倒くさい、自分は実戦派だから必要ない、などと言って詰め将棋を解かない人も結構います。中には、実戦で同じ形が出るとは限らないから意味がないとまで言う人もいます。

しかし、詰め将棋は棋力向上に絶対に役立ちます。そこで、詰め将棋を解くことの効能を説明していきたいと思います。

こちらは上級者には簡単な3手詰めです。

問題図

まずは失敗例を。

問題図より ▲3二金打 △1二玉(失敗図)

失敗図

初心者の方なら、つい持ち駒の金を打ってしまうかもしれません。失敗図ではあと1枚金がなければ詰みません。逆に言えば、問題図で持ち駒に金が2枚あれば、ベタベタ金を打っていけば自然に詰むのです。しかし現実には金が1枚しかないため、もっと効率のよい手を指さなくてはいけません。

正解は ▲3一馬 △同玉 ▲3二金打(解答図)

正解図

▲3一馬という上手い捨て駒をすることによって、持ち駒の金が1枚だけでも詰ますことができます。つまり詰め将棋というのは、いかに効率よく駒を使うか、ということなのです。普通に指せば2枚必要なところを1枚で詰ませる。そのためのテクニックが凝縮されているのです。この駒の使い方というのは、将棋の基本中の基本と言うべきもので、序中盤においても必要になってきます。詰め将棋を解くことで、将棋の総合力がアップするのは間違いありません。

3手詰ハンドブック







NHK杯決勝は2年連続で羽生善治‐渡辺明に

昨日放送されたNHK杯準決勝の羽生善治三冠-郷田真隆棋王は大熱戦だった。ずっと郷田棋王が押し気味に進めていたのだが、粘る羽生三冠が最後に鮮やかな逆転で決勝進出を果たした。

第1図

第1図より ▲6三桂成 △同金 ▲5三桂成 △同金 ▲6一金(第2図)

第2図

第1図ははっきり先手がよさそうな局面だ。渋い棋風の人なら、一回▲4九歩を利かせるとか、もう少しゆっくり指す順もあっただろう。だが郷田棋王は一直線に寄せ合いにいった。これで勝ちだと読んでいたのであろうが、少し焦り気味だったようだ。この辺り、対羽生戦の相性の悪さが出たのかもしれない。


迎えた第3図。郷田棋王は自玉に詰みなしと読んでいたはずだが・・・。

第3図

第3図以下 △8六銀(第4図)

第4図

第3図で普通は△8五桂と打つのが形。だがそれでは上部に脱出されて詰まない。△8六銀が妙手だった。これでピッタリ詰んでいる。投了図のように桂馬を7四と7二で使うのがポイントで、持ち駒を使い切っての詰みである。ずっと優勢だった郷田棋王にとっては悔やまれる敗戦であろう。

投了図

これで決勝戦は2年連続で羽生善治三冠-渡辺明竜王となった。羽生三冠は勝てば前人未到の五連覇となる。現在の棋界を代表する二人の戦いに期待したい。




渡辺明竜王、圧勝で3冠に王手!

棋王戦第3局は渡辺明竜王が郷田真隆棋王に勝ち、2勝1敗として、初の棋王位へ王手をかけた。

本局も玉を固めて細い攻めを繋げる、渡辺竜王お馴染みの勝ちパターンでの圧勝だった。

第1図

第1図の後手の囲いは変な形だが、▲3三桂成に△同金寄と取り、それから△4二銀と引いたもの。この構想が独特で、先手はなかなか攻めの糸口がつかめない展開となる。

投了図

そして投了図だが、後手陣はまだ金銀3枚の守りが鉄壁で、先手は攻めようがない。玉の固さを最後まで活かしきった渡辺竜王の快勝譜といえるだろう。

これで渡辺竜王は自身初の3冠に王手をかけた。だが、郷田棋王もこのままでは引き下がらないだろう。はやくも第4局が待ち遠しい。




三段リーグ、千田翔太・竹内雄悟が四段に!!

第52回三段リーグが終了し、千田翔太三段が15勝3敗、竹内雄悟三段が13勝5敗で見事に四段昇段を決めました。両者共に関西所属で、森信雄七段門下。

千田翔太・新四段誕生のお知らせ
http://www.shogi.or.jp/topics/2013/02/post-697.html

竹内雄悟三段が新四段に
http://www.shogi.or.jp/topics/2013/03/post-707.html

三段リーグは本当に厳しいリーグである。全18局を戦うリーグで上位2名のみ四段に上がるシステムである。半年に一度だから、年に4名しか上がれない。今期は30名が参加している。当然ながら、お互いに人生がかかっているので、それこそ死に物狂いの戦いである。

勝ち抜いた二人には、これからの飛躍を期待したい。




横歩取り・4五角定跡の変化手順

横歩取りは面白い。一般的にアマチュアにはあまり人気がないようだが、序盤から激しい展開になりやすく、緊張感を持って戦えるところが魅力である。ぜひもっと広まってほしいと個人的には思っている。

今日は後手が△4五角戦法を使ってきたときの局面を取り上げたい。第1図は△4五桂と跳ねてきたところ。通常は△5四香とするところで、珍しい手だが、研究の一手があった。

第1図

第1図より ▲3九角(第2図)

第2図

この▲3九角が研究の一手だった。実はこの手を2度指していて、いずれも勝っている。一見変な手だが、2八の銀に紐をつけながら5七の地点をカバーしている。対して△5四香なら▲5六歩、△同香、▲5八歩で受かっている。また△5七桂成と突っ込んできても▲同角、△5六香、▲5八歩くらいで先手がいいと思う。小駒が手に入ると、先手からも後手玉に迫りやすくなる。

ちなみに▲6六馬はオススメできない。将来後手から△5七銀と打たれる変化で、馬取りなってしまう恐れがある。持ち駒の角を使ってしまったほうが手堅くてよさそうだ。

実はこの局面、将棋世界の最新号で飯島栄治七段が講座の中で取り上げていた。その講座では第1図から▲6八玉で優勢という解説だった。確かにこちらの方が自然で、しっかりした受けなのかもしれない。

いずれにしても、横歩取りはしっかり研究を用意しておけば、それを勝利に結びつけやすいのである。また、自分でいろいろと創意工夫して新しい手を編み出していく楽しみもある。ぜひ一度指してみていただきたい。




ソフトとの戦い

第2回電王戦もあと2週間に迫ってきたが、コンピュータに勝てば100万円という企画が佳境を迎えている。明日10日が最終日だが、先週の時点で3名の方がGPS将棋に見事勝利し、100万円を獲得している。

ちらっと様子を見たのだが、アマチュアの方の意欲が凄まじい。コンピュータソフトへの専用の対策をかなり研究してきている人もおり、GPS将棋を苦しめている。また、プロとは違いアマは気楽なので、人間の側がノータイムで指し、ソフトが先に時間を使い切るような場面も多く、なかなか新鮮な光景である。

ただ、私自信はあまり参加しようとは思わなかった。ソフト対策は悪いことではないが、あまりにもプログラムの欠陥ばかりを探すようなことをしてしまうと、それは本来の将棋からはかけ離れてしまうのではないだろうか。自分は将棋というのは、自己表現のようなものだと思っている。だから自分の指したい手、自分の信じた手を堂々と指すのが一番だと思う。それではコンピュータには勝てないのだろうが、無理して張り合わなくてもいいのではないかというのが自分の考えである。

個人的には、少し弱めのプログラムの方が好ましい気がする。そこそこ手応えがあって、勝ったら充実感を味わえる。そして上達の手助けとなる。そういうプログラムを開発していただけたら、ありがたいな、と思います。




長考することの意味

先日のA級順位戦最終局、郷田真隆棋王-渡辺明竜王戦で郷田棋王が大長考したことが話題となった。第1図の局面から193分もの考慮時間を使って、△2二玉と指したのである。

第1図

193分と言われてもピンとこないが、わかりやすく言うと3時間13分である。ちなみに順位戦の持ち時間は6時間。つまり、郷田棋王は第1図からのたったの一手のために、持ち時間の半分以上を費やしたのである。

大長考というのは一般的に不利な側がすることが多い。手がなくて困っているという場合である。“大長考に好手なし”などと揶揄する人もいるくらいである。合理的な考え方をする若手棋士ならば、こんな時間の使い方はまずしないだろう。

だが、息長く活躍している棋士を見てみると、時間を使ってよく考える棋士が多い。代表的なのは羽生世代である。羽生善治三冠は序盤から長考して構想を練るタイプだし、佐藤康光九段は時間を目一杯使う棋士で、いつも一分将棋になっている。森内俊之名人も序盤は割と早指しだが、勝負どころでは腰を落として時間を使っている。

こうして考えると、時間をかけて考えるということと、息長く活躍するということには凄く関連性があるように思える。羽生世代が40代になっても一線で活躍しているのは、若い頃から時間を使って必死に考え続けてきた積み重ねがあるからではないか。

もちろん、長考しても悪手を指してしまったり、時間の切迫により負けてしまうこともあるだろう。だが、そこで考えたことの積み重ねがその棋士の財産となり、将来的には必ずプラスになっていくのだと思う。




藤井猛九段、豊島将之七段がB級1組へ昇級!

B級2組順位戦はすでに昇級を決めていた藤井猛九段に続き、豊島将之七段が昇級を決めた。成績はともに9勝1敗。

1図は豊島七段が昇級を決めた杉本昌隆七段との一戦。横歩取りから後手が優勢な局面を迎えている。

1図

1図から △4一玉 ▲2四桂 △3一歩(2図)

2図

1図の後手玉は▲4四桂からの詰めろになっている。そこで△4一玉の早逃げが好手だった。以下▲2四桂に△3一歩と受けて、先手からの詰めろが続かない。豊島七段が冷静な受けで昇級を決めた。

藤井九段は2期連続で降級していたものの、昨年の王位戦で挑戦者になるなど、まだまだ力は健在。得意の角交換型の振り飛車にさらに磨きがかかったようだ。作戦勝ちから一方的に押し切る指し回しは圧巻である。豊島七段は2期連続の昇級となった。まだ22歳と若い。早期のA級入りも可能だろう。将来の名人候補と言ったら大げさかもしれないが、それくらいの可能性を秘めた棋士である。来期のB1の両者の戦いぶりが楽しみだ。




LPSA問題について・その2

LPSAの女流の実力はどのくらいなのか。それを知りたかったので、女流棋士の通算勝率を調べてみた。
対象は連盟・LPSAの現役女流棋士49名で、女流3級、ツアー女子プロ等は除いている。

トップ20が下の表のようになった。
025

上位20位までにLPSAの女流は3位中井さん、4位石橋さんの2名しかいなかった。いかにこの2人が突出しているかがわかる。この2人は改めて素晴らしい成績だと思う。ちなみにトップ30まで見ても、22位蛸島さん、30位中倉宏美さんを加えた4名しかおらず、層の薄さはいなめないところである。



次に最近1年間のタイトル戦の出場者を見てみたい。

マイナビ女子オープン 上田初美女王   3-0 長谷川優貴女流二段
女流王位戦      甲斐智美女流王位 0-3 里見香奈女流三冠
女流王将戦      里見香奈女流王将 2-1 中村真梨花女流二段
女流王座戦      加藤桃子女流王座 3-0 本田小百合女流三段
倉敷藤花戦      里見香奈倉敷藤花 2-0 矢内理絵子女流四段
女流名人位戦     里見香奈女流名人 3-2 上田初美女王

8名がタイトル争いに絡んだが、そのうち加藤女流王座は奨励会員だが、それ以外の7名は連盟所属の女流棋士である。LPSAの棋士は残念ながらタイトル戦に絡めなかった。

LPSA側の目立つ活躍といえば、中井さんが2度挑戦者決定戦まで勝ち上がったこと、石橋さんがマイナビ女子オープンと女流最強戦でベスト4に残ったことくらい。この2人ですらタイトルに届かず、またそれ以外の女流に目立った活躍もない。LPSAが苦しい台所事情であるのは間違いない。

前回の記事

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王将戦第5局・渡辺明竜王が初の王将位獲得!!

王将戦第5局は渡辺明竜王が佐藤康光王将を破り、4勝1敗で初の王将位獲得となった。

充実著しい渡辺竜王だが、最近は中盤の戦い方が実に上手い。本局も中盤の勝負どころで差をつけて、そのまま逃げ切ったような印象である。

1図は先手が▲3三歩とたたいたところ。普通は△同桂と取るが・・・。
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1図以下 △3三同角 ▲2五桂 △4六金 ▲3三桂成 △同桂 ▲4六歩 △3七角 ▲3八飛 △4六角成(2図)

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なんと1図から後手は△3三同角と取った。先手の桂を手順に跳ねさせてしまい不利に思えるが、あっさり角を取らせる順を選んだ。駒損で、普通では考えられない進行だ。だが2図まで進んでみると、先手からの攻めの手がかりがなく、後手の馬が非常に大きい。いつの間にか後手が指しやすい局面になっている。この辺りの大局観の素晴らしさが、渡辺竜王の強さの秘訣なのであろう。

これで渡辺竜王は二冠に。いよいよ渡辺時代の到来といった感じである。この先、羽生世代がどう対抗するのか、あるいはもっと若い世代が現れるのであろうか。




C級2組、菅井竜也・阪口悟・斎藤慎太郎が昇級!

昨日、C級2組順位戦の最終局が行われ、菅井竜也五段、阪口悟五段、斎藤慎太郎四段の3名が9勝1敗の成績で見事にC級1組への昇級を果たした。斎藤四段はこの昇級により、五段へ昇段となった。

斎藤四段は新人で、1期での昇級という快挙である。まだ年齢も19歳と若く、詰将棋選手権で優勝経験もあるなど抜群の終盤力を持っている。10代でのC級1組昇級は、近年ではほとんど例がないのではないだろうか。今後が楽しみな一人である。

残念だったのは澤田真吾五段。今季は絶好調で勝率ランキングでもトップを争うほどの好成績である。順位戦もここまで8勝1敗と快走し、自力での昇級の権利を持っていたのだが、最後に千日手指し直しの末、永瀬拓矢五段に敗れてしまった。だが実力をつけていることは間違いない。来季は昇級争いの中心となりそうだ。




LPSA問題について・その1

以前の記事で何度か取り上げたのだが、LPSA(日本女子プロ将棋協会)の問題について改めて書こうと思う。こういう問題を取り上げるとどうしても感情的になってしまいがちなのだが、できる限り冷静かつ客観的に書いてみたい。

そもそもLPSAが設立されたのは2007年のこと。元々女流棋士は全員が日本将棋連盟に所属していた。だが、待遇の面などで決して恵まれていない部分もあり、いずれは独立して自分たちの力でやっていこうという機運が徐々に高まっていった。そうしてできたのがLPSAである。

しかし、当初は全員が揃って移籍すると思われていたのだが、残留を希望する女流が多く、結局少人数だけの独立となってしまった。ウィキペディアによると、当時、引退棋士も含め56名の女流がいたのだが、そのうち39名もの女流が連盟への残留を希望したため、結局17名のみで独立したということである。

ここで一つの疑問がある。そもそもの独立の経緯というのは、女流棋士全体の待遇をよくしたい、女流棋界をより魅力あるものにしたい、というのが理由であったはず。であるならば、一部の棋士のみが独立するというのは不思議である。それで女流棋界がよくなるとは思えない。全員が一つにまとまれないのであれば、独立は踏みとどまるべきではなかっただろうか。

当初の予定では全員が移籍するはずで、それにともなって連盟の側から、棋戦・スポンサー・育成組織等を円満な形で引き継いでやっていくつもりだっただろう。だが、それらを引き継がぬまま、17名の女流棋士だけが独立してしまった。この頃からLPSAはすでに、冷静さを欠いていたように思える。

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独創的な佐藤将棋

いよいよ明日から佐藤康光王将-渡辺明竜王の王将戦第5局が始まる。渡辺竜王が初の王将位を獲得するのか、佐藤王将が踏みとどまるのか注目される。

佐藤王将といえば独創的な将棋を指すことで有名だが、なんといっても昨年の王将戦はずば抜けて面白いシリーズだった。ここで改めて振り返ってみたい。

まずは第1局から。
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5六の歩を守るために玉がみずから上がっていったのがすごい。この手は他の棋士にはとても真似できないであろう。このあと△6五角には▲4五角で受かっているという読みである。当然ながら事前の研究と深い読みがあってこそ指せる手である。

続いて第3局。
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今6六の銀を上がったところだが、これが一石三鳥の手だった。角道を通しながら桂取りで、なおかつ5四の銀にも二重のひもをつけた手である。
また、銀が3枚並んだ形が大変珍しい。盤面中央を制圧し、相手の飛車を完全に押さえ込んでいる。

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そして迎えた終盤。自玉が薄くなって危険な形だが、いかにも佐藤王将らしい強気な戦い方だ。今打った▲9五桂で8三の地点を集中攻撃して、後手玉を見事によせている。

そして最後は第5局。
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これはとにかく6筋の形がすごい。アマチュアが指したら、重たくて筋が悪いと酷評されそうな形である。しかしここから厳しい攻めで快勝。この将棋も誰にも真似できない指し回しである。

明日からの王将戦第5局でも、独創的な佐藤将棋が見られるだろうか?非常に楽しみである。




里見香奈女流四冠、マイナビ女子オープンの挑戦者に!

里見香奈女流四冠がマイナビ女子オープンの挑戦者決定戦で鈴木環那女流二段を破り、上田初美女王への挑戦権を獲得した。

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1図より △6四角 ▲5六歩 △8二角 ▲1七香 △9三角 ▲5七銀(2図)

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じっと△6四角と引いた手に対して、先手の▲5六歩がどうだったか。この手はもし後手が△7三桂と指してくれば▲5五銀と打って角を取る狙いだったのだろうが、△8二角~△9三角と転じたのがうまい活用だった。困った先手は仕方なく▲5七銀と受けたが、ここに銀を打つようでは苦しい。このあたりで後手が指しやすくなったように思う。

それにしても里見女流四冠は強い。不慣れな戦法を意欲的に採用し、途中で苦戦するところがあっても、最後には勝ってしまう。若い頃の羽生善治三冠を見ているようである。史上初の女流五冠誕生となるか、注目したい。

女流名人倉敷藤花里見香奈 好きな道なら楽しく歩け







3月の予定

今月は年度末ということもあり、重要棋戦が目白押しだ。

王将戦 佐藤康光王将-渡辺明竜王
3月6・7日 第5局
3月13・14日 第6局
3月18・19日 第7局

棋王戦 郷田真隆棋王-渡辺明竜王
3月10日 第3局
3月24日 第4局
3月29日 第5局

電王戦
3月23日 第1局 阿部光瑠四段-習甦
3月30日 第2局 佐藤慎一四段-ponanza

他にNHK杯決勝や、順位戦の各クラスの最終局もあり、将棋ファンにとっては忙しい1ヶ月となりそうだ。




便利なソフト・局面図作成

局面図作成という便利なソフトがあったので使わせてもらいました。

局面図作成 http://home.att.ne.jp/lemon/ogi/SituationFigure.html

こちらが今までの図。

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そしてこちらが新しく作った図。

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今までより格段に見やすくなったと思う(というか、今までが見づらかったですね)。まず、サイズを大きくしたかったのでありがたい。さらに最終手に色をつけたりと、様々な機能がある。将棋関係のブログをしている人にはとても便利である。興味がある方は使ってみてください。自分ももっと前から使っていればよかったなぁ・・・。




A級順位戦最終局・深浦康市九段、谷川浩司九段が残留

将棋界の一番長い日、A級順位戦最終局も全対局が終了した。挑戦者は羽生善治三冠、降級は高橋道雄九段と橋本崇載八段となった。

降級争いの4人はいずれも敗れるという厳しい展開だった。プロ棋士はたとえ消化試合であっても決して手を抜くことはしない。今回でいえば佐藤康光王将や屋敷伸之九段は挑戦にも降級にも絡んでいなかったが、全力でもって相手を負かしている。これぞまさに米長哲学である。

結果的に2勝7敗が3人いたが、順位の低い2人が降級。例年であれば2勝では助からないため、降級も仕方ないといったところ。一方谷川浩司九段は2勝ながら順位の差で幸運な残留となった。将棋界を代表する棋士の残留に多くのファンがほっとしたことだろう。また深浦康市九段も3勝6敗と振るわなかったものの、残留が決まった。自身4度目のA級で、なんと初めての残留である。かつて王位を3期も務めた実力者でありながら、ここまで苦戦するとは。A級に残るは本当に大変である。




羽生善治三冠、名人戦の挑戦者に!

A級順位戦最終局、羽生善治三冠-橋本崇載八段は羽生三冠が快勝。8勝1敗で見事に名人挑戦を決めました。
羽生三冠の名人戦登場は6年連続13回目。これは途方もない数字で、ただ驚くばかりです。

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図で先手は▲2四金と出る手を狙っている。ここから羽生三冠が強さを発揮する。

図より△4五銀 ▲2六飛 △6二角 ▲3六銀 △3四銀引

013

△4五銀~△6二角が厳しかった。間接的に2六の飛車をにらんでおり、先手の動きを牽制しているのだ。橋本八段は仕方なく▲3六銀と打ったが、すかさず△3四銀引とされて、今度は3六の銀が取り残されてしまう。

数手進んで下図に。

014

図より△7五歩 ▲同歩 △8四飛 ▲4八銀 △7三桂

015

後手は流れるように自然に駒を活用していく。優勢なときの羽生三冠は自然流で、まったく無駄がない。先手は右辺の駒がまったく捌けないのが痛い。3五の銀が動くと2六の飛車を取られてしまう。以下数手で先手が投了し、後手の快勝となった。

羽生三冠は見事な指し回しで名人挑戦権を得た。ここ2年は森内俊之名人に敗れているだけに、リベンジに燃えているに違いない。面白いシリーズになりそうだ。一方橋本八段は2勝7敗で降級となってしまった。残念だが、まだ若いので来季以降に期待したい。




A級順位戦最終局・ここまでの進行

将棋界の一番長い日、A級順位戦最終局は現在夕食休憩中。ここまでの戦況を簡単に見てみます。


橋本崇載八段 - 羽生善治三冠
先手の橋本八段が意表の中飛車を選択。序盤から3四の歩をかすめとって歩得したものの、羽生三冠の金銀が盛り上がってきて押さえ込み体勢に。その後のやりとりで橋本八段が角金交換の駒損になってしまう。後手の羽生三冠がやや有利な展開か。

渡辺明竜王 - 郷田真隆棋王
相矢倉から、先手の渡辺竜王が攻める得意の展開。攻めが繋がりそうで、しかも残り時間が郷田棋王のほうが約3時間も少なくなってしまい、郷田棋王としてはかなり厳しい状況である。渡辺竜王はいつも通りの自信満々な様子に映る。

高橋道雄九段 - 三浦弘行八段
先手の高橋九段が横歩を取らず、後手の三浦八段が横歩を取る展開に。ここは進行が一番遅く、どんよりした重たい空気が流れている。形勢はまだ互角と思われるが、お互い力を出し切れる展開だろう。

深浦康市九段 - 佐藤康光王将
佐藤王将の意欲的な序盤に対し、深浦九段が思い切りよく仕掛けて大乱戦となった。深浦九段の気迫あふれる戦いぶりだが、その後局面が落ち着き、持久戦模様に。金銀をうまく自玉付近によせた佐藤王将が少し指しやすそうに見える。

屋敷伸之九段 - 谷川浩司九段
谷川九段のゴキゲン中飛車から始まり、相穴熊に。お互い玉が固く、まだ終局まで時間がかかりそう。先手の屋敷九段のほうが右桂を使えそうな分よさそうだが、谷川九段がここからどう巻き返していくか。


対局は19時に再開。ここからが真の勝負どころで、深夜1時頃までには結果が出ることと思われます。はたしてどのような結果になるでしょうか。




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Author:gyan
30代の男です。棋歴は20年位で、アマ二段の免状をいただいております。居飛車党で横歩取りが得意。羽生善治先生の大ファンです。

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