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詰将棋選手権は宮田六段が優勝!

本日行われた第10回詰将棋解答選手権チャンピオン戦はプロ棋士の宮田敦史六段が優勝した。宮田六段は終盤の驚異的な読みで知られており、これが6度目の優勝とのこと。

詰将棋解答選手権 速報ブログ http://blog.goo.ne.jp/shogi-problem

自分も参加したいと密かに思っているのだが、成績を見ると第1問から超難解だったようで、プロ棋士でも何人か間違えている。自分には到底無理なレベルと思えてしまう。出題された問題が公開されたら、少し挑戦してみたい。

終盤のメカニズム (マイナビ将棋BOOKS)







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本日のイベント

昨日の電王戦はやはり反響が大きかったようで、当ブログもカウンターで最高値を記録したようだ。改めて将棋界の注目度の高さを実感している。将棋人口は減っているとも言われているが、ネット上では逆に大ブームが起こっているのかもしれない。

さて今日は年度末だが、本日もいくつか大きなイベントがあるようだ。

第10回詰将棋解答選手権チャンピオン戦
http://blog.goo.ne.jp/shogi-problem

この大会はもの凄くレベルが高い。自分も詰め将棋は嫌いじゃないので一度は出てみたいのだが、チャンピオン戦だと一問解けるかどうか・・・と言ったところだろう。手も足も出ないという感じである。

また、チャンピオン戦に出る自信のない方のために、初級戦・一般戦というのもあるようで、こちらは4月13日に行われる。興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。


第3期リコー杯女流王座戦アマチュア予選東日本大会
http://kifulog.shogi.or.jp/joryu_ouza/3/

女流王座戦はアマチュアがプロと同じ土俵に上がれるチャンスがある大会で、自分のような男性アマから見ると夢のような棋戦である。男性もアマ大会で活躍すればプロ棋戦に選出される場合があるが、この女流王座戦はエントリー制なので、自らの意思で誰でも参加できるのである。一体誰が勝ち上がってくるのであろうか。




4月の予定

将棋界も今日で年度が終わり、明日からはまた新しい1年が始まる。4月からはさっそく名人戦が行われる。森内俊之名人と羽生善治三冠の熱い戦いに期待したい。

4月の予定

名人戦 森内俊之名人-羽生善治三冠

第1局 4/9~10
第2局 4/23~24

マイナビ女子オープン 上田初美女王-里見香奈女流四冠

第1局 4/3
第2局 4/16

女流王位戦 里見香奈女流王位-甲斐智美女流四段

第1局 4/25

電王戦 

第3局 4/6  船江恒平五段-ツツカナ
第4局 4/13 塚田泰明九段-Puella α
第5局 4/20 三浦弘行八段-GPS将棋




コンピュータ将棋が歴史的勝利!佐藤四段敗れる

第2回電王戦第2局はponanzaが141手で佐藤慎一四段に勝ち、歴史的な白星をあげた。

序盤から拮抗した将棋だったが、第1図は今ponanzaがぼんやり▲8三角と打ったところ。ここでは少し後手の佐藤四段がいいと思う。この局面では△6二飛などが候補にあげられていたようだが。

第1図

第1図より △8二飛 ▲7四角成 △5四飛 ▲6五馬 △5八飛成 ▲6七銀打 △5九竜 ▲5六桂(第2図)

第2図

△8二飛がどうだったか。将来的に、王手飛車のラインに入ってしまい、リスクが高かったような気がする。以下第2図まで進むと、先手陣が手厚くなってしまっている。形勢はまだ後手がよいかもしれないが、コンピュータ相手に厳しい展開となってしまった。

第2図からは△3三銀右 ▲同桂不成 △同銀 ▲4一銀と攻めに出たponanzaが最後は細い攻めを繋ぎ、プロ棋士からの歴史的な初勝利をあげた。

コンピュータがプロを超えたかどうかは判らないが、拮抗してきているのは間違いない。その一方で佐藤四段も策を弄さずに真っ向勝負を挑んだのは素晴らしかった。両者に拍手を送りたい。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







明日はいよいよ電王戦第2局

いよいよ明日午前10時から、第2回電王戦第2局、佐藤慎一四段-ponanzaが行われます。

第1局が居飛車戦だったので、今回はponanzaの振り飛車を予想しますが、いかかでしょうか。

ニコニコ生中継 http://live.nicovideo.jp/watch/lv118754300

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







ネット将棋で気づかされたこと

自分は10年ほど前にネット将棋を始めたのだが、始めた頃はなかなか思うように勝てなかった。それほど点数の高くない人にもコロコロと負かされてしまうのだ。

なぜ勝てないのか考えてみると、ある一つの理由が思い当たった。それは対局中に相手の表情や仕草が全く見えないことである。これはネット将棋ならではの現象である。

実は将棋指しは無意識の内に相手の態度を見て、それで形勢判断をしている部分があるようだ。相手が慌てた様子であったり、ため息をついたりしたら、こちらが優勢だと判断しているのだ。それがネットだと相手の様子がわからないので、形勢判断が全くできないのである。自分でもここまで違うものかと非常に驚かされた。

それ以降は、純粋に局面だけを見て判断するように心がけている。そのおかげで少しずつ本当の実力がついてきた気がする。相手の様子がわからないというのは、ネット将棋の隠れた利点なのかもしれない。




森内流の自陣飛車

自分の好きな手筋の一つに自陣飛車がある。初心者が真似をしてもなかなか上手くいかないが、自陣飛車が成功して勝ったときは爽快である。実は飛車という駒は受けにも威力を発揮するのである。

そんな自陣飛車で印象に残っているのが1996年3月のA級順位戦、村山聖八段-森内俊之八段である。森内八段はA級初参加ながらここまで6勝2敗で名人挑戦が懸かっていた。まさに大一番である。その一局に自陣飛車が現れた。

第1図

第1図は△4一飛と打った局面。先手陣が堅いためここでは後手が苦戦のようだが、この自陣飛車で凌ぐ。ここからしばらく受けに回る展開となる。

第2図

そして第2図。再度の自陣飛車△4一飛打が好手だった。この手で先手の攻めを完全に封じている。以下▲6五馬と撤退させて悠々と△2七歩成と成り込む。2度の自陣飛車で名人挑戦権を掴んだ一局だった。

自陣飛車はかっこいいが、なかなか真似するのは難しい。もし失敗すると飛車をいじめられる恐れもある。きちっと読みを入れて打つようにしたい。

森内俊之の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)







電王戦第2局の佐藤慎一四段とponanza

30日に第2回電王戦第2局、佐藤慎一四段対ponanza(ポナンザ)が行われる。第1局はプロ棋士の圧勝となったが、この第2局は果たしてどうなるのであろうか。

佐藤四段は失礼ながら、ほとんど存じ上げていなかった。今回のインタビューを見ると、非常にさわやかな好青年という感じで、つい応援したくなる。ブログも個性的でなかなか面白い。これから知名度が上がるにつれてファンも増えていくのではないだろうか。

ただ将棋に関しては苦労人である。奨励会を突破するのに実に14年かかっている。特に三段リーグは15期在籍しており、年齢制限ギリギリの26歳でようやく突破している。大器晩成といった感じで、阿部光瑠四段とは対照的である。

一方、ponanzaはとても強いという印象がある。以前、将棋倶楽部24に参加していたことがあり、3200点台のレーティングを叩き出していた。これは当時の最高記録であったようだ。ただし、この数字をそのまま評価することはできない。第1局を見てもわかるが、ネットの早指し戦と持ち時間4時間の将棋は全く違う。しかも今度の相手はプロである。長時間でプロ相手にどこまで戦えるかが見所である。

コンピュータが初勝利を上げるか、苦労人が意地を見せるか。第2局が楽しみである。

サトシンの将棋と私生活50-50日記
http://satosin667.blog77.fc2.com/




今年度タイトル戦の戦型出現率

今年度のタイトル戦においてどのような戦型が指されてきたのか調べてみたい。まあ、よく将棋世界で勝又清和六段がやっているようなものを真似しただけである。千日手局を含む全34局の戦型を調べてみた。

円グラフにしたのがこちら。

2012タイトル戦

やはり居飛車は相矢倉と角換わりが多い。現代の2大戦法である。一時は後手が苦しいと言われていたが、最近では羽生善治三冠や渡辺明竜王が先後どちらを持っても指しているように、まだまだ可能性のある戦法のようだ。

横歩取りは一時よりやや減ったものの、一定数指されているようだ。一方で一手損角換わりはかなり減ってしまった。丸山忠久九段が採用したのみであり、減少傾向である。

振り飛車の将棋では、角交換型の振り飛車がすっかり主流となった。藤井猛九段のみならず、羽生三冠、佐藤康光九段が採用している。一方でゴキゲン中飛車は一局も無かった。以前は居飛車党もよく指していたが、超速とよばれる対策が優秀で、すっかり減ってしまったようである。今後どうなるのか興味深い。




2012年度の名局

棋王戦の終了に伴い今年度のタイトル戦も全て終了した。毎年、年度内で最も優れた将棋に名局賞が贈られるのだが、最有力候補なのは渡辺明王座-羽生善治二冠の王座戦第4局の千日手局だろう。拮抗した終盤で羽生二冠が△6六銀という絶妙手を指し、千日手に持ち込んだ将棋である。千日手局がここまで注目されたのは未だかつて無かったのではないか。

もちろんこの将棋も素晴らしかったが、私が最も名局だと思ったのは、王座戦第2局のほうである。こちらもファンの間でかなり話題になっていたが、第4局の△6六銀のおかげですっかり影が薄くなってしまっているのは残念である。

この将棋は羽生二冠の角交換振り飛車から始まった。渡辺竜王に穴熊に組まれて苦戦と思われたが、そこから絶妙な指し回しを見せる。

第1図はすでに115手目。大激戦になっている。先手は次に▲9二歩成~▲8四桂を狙っており、忙しい局面と思われたが・・・。

第1図

第1図より △3六歩 ▲2五飛 △3七歩成(第2図)

第2図

ここで△3六歩が驚愕の一手である。自玉が危険な状況で、あまりにも遅そうな攻めである。だがこれが好手であった。相手の攻めを催促し、持ち駒の入手を狙っていたのである。

第2図より ▲9二歩成 △7三玉 ▲9三と △9五銀 ▲8五桂 △6三玉 ▲7三香 △6一金(第3図)

第3図

先手は必死に後手玉に迫るが、最後の△6一金が好手。この手を指すとき、羽生二冠の手がかすかに震えていたようだ。勝ちを確信したのだろう。角を入手すれば、先手玉を寄せやすくなると読んでいる。また、手順に銀が9五に逃げたのも大事で、寄せに働いてくる。この辺り、無駄な手が全くないのである。

第3図より ▲7二香成 △5一金 ▲7三桂成 △5二玉 ▲4六桂 △8六歩(第4図)

第4図

そして第4図の△8六歩が詰めろで勝ちが決まった。角を手に入れたことで△8七歩成~△9六角の詰み筋が生じたのだ。また、先手が受けにまわろうとしても、3七にと金を作ったのが大きく、後手の攻めは切れない。

第1図からの寄せ手順は完璧であった。△3六歩で相手の攻めを催促し、手順に角を手に入れ、最後の△8六歩が詰めろになっている。この一連の構想は本当に素晴らしいと思う。個人的には今年度ナンバー1の将棋である。




blogramの成分解析

blogram(ブログラム)という、ブログのランキングサイトがある。当ブログも登録させてもらったが、これがなかなか面白い。

ブログランキング・成分解析サービス blogram.jp http://blogram.jp/

通常、カテゴリーごとにランキングが分かれていて、それをブログ主が自分で選択するのが一般的である。当ブログも将棋カテゴリーのランキングにいくつか参加させてもらっている。

だがこのbroglamは成分解析という機能がある。記事の中身を解析して、その内容に応じて該当するカテゴリーを自動的に選び出してくれるのである。当ブログは下の図のように、「将棋」「社会」といったカテゴリーが選ばれている。

成分表示

面白いのが「仮面ライダー電王」という項目。実は、将棋の電王戦の記事を書いたら、このようなカテゴリーが自動的に選ばれたのだ。時折このような間違いもあるが、それもまた面白い。ブログを書いている人は、一度登録してみてはいかがでしょうか。




渡辺明竜王、強さの秘訣

渡辺明竜王が圧倒的な強さを見せている。昨年末の竜王戦で丸山忠久九段を4勝1敗で退けると、王将戦では佐藤康光王将に対して4勝1敗で王将位を奪取。続く棋王戦でも郷田真隆棋王から3勝1敗で棋王位を獲得。3人の実力者を相手に11勝3敗と圧倒的な成績を残している。

渡辺竜王の長所ははっきり掴みきれない部分もあるが、一つ言えるのは独自の大局観を持っているということである。他の棋士とは形勢判断の仕方が少し違うのである。

第1図

例えば第1図は昨日の棋王戦第4局だが、この仕掛けは単調な攻め方で、プロ間では成立しないと言われていたようである。だが渡辺竜王は、攻めがじゅうぶん繋がると判断して採用したのだ。この辺の感覚が非常に鋭く、実に的確なのである。

対戦相手からすると、自分がいいと結論を出していて、それ以上深く研究していない形であろう。その形を選ばれて負けるのは精神的ショックが大きいのではないか。かつての大山康晴15世名人は、精神的優位に立つことで勝ち続けてきたが、今の渡辺竜王もそれに似ている。

大局観の違いというのは、電王戦でも取り上げられたテーマである。その大局観という大事な部分において、渡辺竜王は圧倒的に秀でている。それが今の強さの一因なのだと思う。




NHK杯での羽生善治三冠の24連勝

NHK杯戦における、羽生善治三冠の24連勝。残念ながら先日の決勝戦で渡辺明竜王に敗れストップしてしまったが、偉大な記録であることに変わりはない。そこでこの24連勝を振り返ってみたいと思う。

2007年度
× 長沼七段

2008年度
○ 山崎七段
○ 飯島五段
○ 佐々木五段
○ 久保八段
○ 森内九段

2009年度
○ 井上八段
○ 先崎八段
○ 山崎七段
○ 丸山九段
○ 糸谷五段

2010年度
○ 伊藤真四段
○ 勝又六段
○ 佐藤康九段
○ 渡辺竜王
○ 糸谷五段

2011年度
○ 戸辺六段
○ 阿久津七段
○ 郷田九段
○ 畠山鎮七段
○ 渡辺竜王

2012年度
○ 橋本八段
○ 山崎七段
○ 森内名人
○ 郷田棋王
× 渡辺竜王

24連勝の対戦相手を見てみると強敵ばかりである。特に、森内俊之名人、渡辺竜王、郷田真隆九段に2度ずつ勝っている。他にも佐藤康光九段や丸山忠久九段、久保利明九段などからも勝利をあげている。これだけの相手に対して24連勝というのは考えられない。とてつもない記録である。

災難なのは山崎隆之七段で、5年間のうちなんと3度も負かされている。トーナメントだから、普通はこんなに当たらないものである。内容的には、いつも乱戦の面白い将棋になるのだが、あと一歩及ばないという感じである。

もっとも印象に残っているのは2008年度決勝の森内九段(当時)戦。相振り飛車から劣勢に立たされたが、終盤に玉を広くする△9四歩という妙手を指して逆転勝ちした将棋である。あの将棋はかなり反響が大きかったと記憶している。

連勝は止まってしまったが、今後ふたたび勝ち星を積み重ねていきそうな予感がする。来期のNHK杯に注目したい。

別冊NHK将棋講座 NHK杯将棋トーナメント60周年記念 もう一度見たい! 伝説の名勝負 (教養・文化シリーズ)







2強時代到来!渡辺明竜王、三冠に!

棋王戦第4局は渡辺明竜王が郷田真隆棋王を破り、3勝1敗で初の棋王位を獲得、自身初の三冠となった。

本局は先手の渡辺竜王が角換わりを目指し、郷田棋王が受けて立つ形となった。第1図は終盤、渡辺竜王の攻めが繋がるかどうかギリギリな局面である。

第1図

第1図以下 △7八飛成 ▲同玉 △4五角 ▲5六歩 △3六角(第2図)

第2図

△7八飛成がすごい勝負手である。飛車を渡してしまうが、桂馬を払って、あわよくば入玉しようという狙いである。これには渡辺竜王も意表を突かれたに違いない。だが、ここから渡辺竜王は着実に攻めを重ね、徐々に後手玉を追い込んでいく。

第3図

第3図は郷田棋王が△3三飛と埋めたところ。郷田棋王のこの一局に縣ける執念の一手である。だが、形勢はいかんともしがたい。ここから渡辺竜王がきっちり決める。

第3図以下 ▲2五歩 △5七と ▲2四歩 △6七と ▲2三歩成 △同飛 ▲2四桂(第4図)

第4図

▲2五歩が急所の攻め。ここでは▲3六桂として▲2四桂を狙うのもあったようだが、堅実に歩を伸ばしていくほうが渡辺竜王らしい。ポイントは後手の3枚の銀に触らずに攻めている点である。当然の寄せとはいえ、センスのよさを感じさせる。以下▲2四桂まで進んで、後手玉は詰んでいる。

本局は157手の大激闘だったが、渡辺竜王が見事に制し、自身初の三冠となった。これで羽生善治三冠とタイトル数で肩を並べる形となり、まさに2強時代の到来である。来期は羽生三冠との雌雄を決する戦いが見られることだろう。今から楽しみである。




今日のNHKは

本日は棋王戦第4局があるが、もう一つ、NHKで3月1日に行われた「将棋界の一番長い日」と呼ばれるA級順位戦最終局の模様が放送される。

例年、決勝戦の翌週は女流棋士の出場者決定戦が行われてきた。だが、今年は出場資格に該当するのが上田初美女王ただ一人のため、決定戦が行われない。その代わりとしてこのような特集が組まれたようだ。

地上波で順位戦の模様が放映されるのは、今までほとんど無かった。これが初めてではないだろうか。大変面白いので、ぜひご覧になってみてください。




明日は棋王戦第4局

電王戦の余韻が冷めぬ中、明日は棋王戦第4局が行われる。ここまで挑戦者の渡辺明竜王が2勝1敗とリード。このまま初の棋王位獲得なるか、郷田真隆棋王が踏みとどまるのか、注目である。

棋王戦中継サイト http://live.shogi.or.jp/kiou/

おそらく先手の渡辺竜王が相矢倉を目指し、郷田棋王も受けて立つだろう。この戦型は今月のA級順位戦最終局で現れ、後手の郷田棋王が勝っている。渡辺竜王がどのように変化してくるのだろうか。

電王戦を見ていた方は、コンピュータと人間の違いを感じながら見るのも面白いかもしれない。いずれにしても大熱戦になることは間違いなく、目が離せない楽しみな一局である。




阿部光瑠四段、コンピュータに快勝!

第2回電王戦第1局、阿部光瑠(こうる)四段-習甦は、阿部四段が見事な指し回しで快勝した。コンピュータはすでにプロを超えたのではないかという声もあったが、プロ棋士が強さを改めて示した格好となった。

第1図

第1図はコンピュータが△6五桂と跳ねて仕掛けてきたところ。この手はプロ棋士は一目で無理筋だと判断するだろう。いかにもタイミングが早すぎる感じである。実際、阿部四段も▲6八銀と引き、攻めを切らしにかかる。

第2図

そして第2図。自分から仕掛けた後手だが、あっという間に飛車が詰んでしまった。やはりこの攻めは無理であったようだ。この時点ではっきり先手がよい。だが興味深いのは、習甦がこの局面は少し有利だと考えていた点である。また、形勢判断をしていたボンクラーズも、ここでは後手が有利と判断している。

自分はコンピュータは駒得を重視するものだと思っていた。だが、駒損の攻めにも関わらず有利だと判断していたのだ。理由はわからないが、この辺りの形勢判断のズレはコンピュータの弱点と言えそうだ。人間なら、直感で無理攻めだとわかる。だがコンピュータに判断させるのは難しいようだ。

第3図

第3図は後手の攻めを凌いだ先手が勝勢の場面。△8六歩に対して取らずに▲3五歩と堂々と決めに行ったのが印象に残る。入玉を目指すようなことも考えられたが、プロらしく攻めに出た。一番強い勝ち方である。以下数手で先手の勝利となった。

本局は感動的な一局だった。中盤でコンピュータの欠点が出てしまったが、それよりも阿部四段の指し回しを讃えたい。コンピュータが多少無理な攻めをしてきても、人間がきちんと対応しなければあっという間に負かされてしまう。だが今日の阿部四段は初手から最終手までノーミスといえる内容であった。堂々の勝利である。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







いよいよ開幕!第2回電王戦

全国の将棋ファン注目の第2回電王戦がいよいよ今日開幕する。
開幕戦は阿部光瑠四段対習甦。10時開始で、持ち時間は各4時間。振り駒により、先手は阿部四段と決まっている。

ニコニコ生放送 http://live.nicovideo.jp/watch/lv118753162

自分はコンピュータ将棋にはあまり詳しくないのだが、大きなポイントは序盤だろうと思う。コンピュータの序盤は、まだまだ隙が多いという印象である。ここでプロが作戦勝ちを収めれば、意外と大差でプロ勝ちという展開もありえる。一方で、序盤で悪くして主導権を握られてしまうとたちまち困難な戦いとなってしまう。コンピュータは中盤以降、なかなか間違えてくれないのである。

もしコンピュータが勝てば、初めて公式戦でプロに勝ったとして大きく取り上げられることだろう。コンピュータ将棋が歴史を作るのか、プロ棋士が意地を見せるのか。目が離せない一局である。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







将棋とチェスの違い

将棋とチェスは似た性質のゲームである。自分はチェスも好きでたまにプレイすることがある。だが将棋とは勝手が違いなかなか上手くいかない。似ているようでも、様々な違いがあるようだ。

まず、チェスの盤は8×8の64マスであり、将棋より狭い。にもかかわらずチェスの駒は強力なものが多い。飛車と角に当たるルーク・ビショップをお互い2枚ずつ持っているし、飛車角を併せ持った動きをするクイーンという駒もある。桂馬に似たナイトという駒も8方向に桂馬の動きができ、八方桂とも呼ばれている。

盤が狭くて、その上動きが強力なのである。将棋よりも濃密な戦いが延々と続く感じである。自分の場合は、ちょっとチェスの局面を考えただけでも疲れてしまう。

戦術面も大きく異なる。チェスでは序盤で互いに中央に駒を繰り出していくことが多い。どうやら、中央を制圧することが勝利への大きなポイントとなるようだ。この点も将棋とは異なる。将棋の場合、玉を囲い、駒を捌くという感覚が大事である。また、端攻めなど部分的な戦いが勝敗を左右する。ゲームの性質が大きく異なっているのである。

また、取った駒を使えないので、中盤以降は自陣の駒を活用する感覚が必要とされる。将棋でも、プロが忙しい局面でじっと自陣の駒を活用することがあるが、そのような感覚を常に求められるのである。持ち駒がない分、盤上の駒の働きが勝敗を分けるのである。

そして終盤になると盤上の駒が少なくなってくる。戦いが静かになってくるのだ。ここまで来ると逆転はまず起こらない。将棋が終盤になるにつれて難しくなり、逆転が度々起こるのとは対照的である。このあたりは、将棋の終盤に慣れている人からすると、少し物足りなさを覚えるかもしれない。

実感として、チェスは序盤から密度の濃い戦いが起こり、そこで勝敗が決まる厳しさがあるように思う。自分はまだまだ初心者だが、将棋とはまた違った楽しいゲームである。


こちらのサイトは初歩的なルールを学べ、プログラムとの対戦もできるのでオススメです。
チェス入門 http://chess.plala.jp/

新装版 ボビー・フィッシャーのチェス入門







LPSA問題について・最終回

過去6回に渡ってLPSA問題について取り上げてきたが、ここで一旦区切りとしたい。今回はまとめとして、これからの女流棋界について考えてみる。

女流棋界には「未来志向」が絶対に必要だと思う。女流棋界はまだまだ歴史が浅く、不完全な部分も多い。だからこそ、前向きな議論をして、少しでもよい方向に向かってほしいと願っている。内部で争っている場合ではないのである。

個人的な考えだが、LPSAは連盟と争うのでなく、違ったあり方を考えるべきではないかと思う。連盟と対等になろうとしてもなれるものではない。歴史が違うのである。

だから例えば、若くて有望な女性を多数ツアー女子プロとして活動させ、多くの経験を積ませる。そうして育てた女性を連盟に送り出す、というような考え方をすべきではないか。自分たちで囲い込むのではなく、快く送り出してあげる。彼女達が連盟で活躍すれば、それはLPSAにとっても喜ばしいことである。将棋界全体のことを考えても、それが一番いい方法ような気がする。

逆に連盟側の引退女流を受け入れ、普及に当たらせることも可能である。いずれにしても、連盟と争うのではなく、共存する方法を模索すべきなのは間違いない。


これまでLPSAを批判する記事も多く書いたが、これも女流棋界を思ってのことと理解していただければと思う。ここ数年で女流のレベルが著しく向上しているのは紛れもない事実である。実際にトップは奨励会の初段まで上がっている。奨励会の初段はかなり強く、過去の女流棋士が到達できなかった領域である。この先、二段、三段と上がっていくことも充分可能である。ファンは何といっても強い棋士を見たいのだ。だからこそ、盤外のゴタゴタはもうこりごりである。両者が一丸となって、女流棋界の更なる発展に努めていただきたい。

前回の記事

LPSA問題について・その6

今年の1月に起こった前代未聞のボイコット事件。これが正当な理由によるものであれば、世間も同情し、味方となったであろう。だが、残念ながら将棋ファンには到底理解できるものではなかった。

主なボイコットの理由は二つのようだ。一つは来期からマイナビ女子オープンの主催を外され、連盟とマイナビの二社による主催となることに対する抗議。もう一つは独自認定したプロ資格を認めさせること。この二つである。

だが、これらは所詮、団体間の交渉事に過ぎない。そもそも主催を外されても、棋士としてトーナメントには参加できるのである。別にLPSAの女流棋士が排除された訳ではないのだ。

また、主催を外されたということだが、LPSAは自分たちが独自認定したプロを公式戦に出場できるよう、スポンサーに執拗に迫っていたということである。おそらくはそれが理由で外されたのである。自業自得ではないか。しかも今のご時世、不景気で棋戦がいつ潰れてもおかしくない時代なのである。主催を外されることだって当然ありうることである。こんなことでボイコットが正当化される訳がない。

そして主催を外されると今度はスポンサー批判である。長年にわたってお金を出して支えてくれている人たちを公然と批判する姿は、われわれ一般人からするとありえない光景である。

かつてプロ野球でもストライキ騒動があった。だがこれは球団数の減少により、現役選手の人数が大きく減ってしまうことへの抗議であった。そして仲間の生活を守るために断腸の思いでストライキの決断をしたのである。古田敦也さんが涙を流して全国のファンへ謝罪したシーンは非常に印象深い。

だが、今回のLPSAのボイコットは正当性もない上、ファンへの謝罪もない。そして連盟やスポンサーを一方的に非難し続けているのが現状である。

石橋幸緒氏がもし「棋士の心」を持っているのなら、ファン、スポンサー、連盟に謝罪するべきである。そしてきちっとペナルティを受けた上で復帰してほしい。もしそれがないのであれば、そのような人物を棋士とは認めたくない。一刻も早く退場していただきたい。

前回の記事

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甲斐智美女流四段が挑戦者に!

女流王位戦の挑戦者決定戦が行われ、甲斐智美女流四段が中井広恵女流六段を破り、挑戦者となった。里見香奈女流王位とは2年連続での対決となる。

第1図

戦型は角交換型の振り飛車となった。第1図は甲斐女流四段が△1四角と打ったところ。ここでは飛車を2枚持っている先手のほうがよさそうに見えたが、難しい局面であるようだ。この△1四角は振り飛車の常套手段で、藤井猛九段がいかにもよく指しそうな手である。

この将棋は、ここから二転三転の大混戦となる。

第2図

第2図はちょうど100手目の局面。この△7一玉の早逃げが決め手となった。先手が攻めるには角を切っていくしかないが、そうすると△5九角が生じてしまう。冷静な催促で、甲斐女流四段が勝利を決定づけた。

甲斐女流四段と里見女流王位のタイトル戦は前期の女流王位戦に次いで2回目となる。前回は里見女流王位が3-0で勝っている。甲斐女流四段のリベンジがなるのか注目である。




羽生善治三冠はどこまで勝ち続けるのか

現在の将棋界を代表する棋士で、もはや伝説的存在にもなっている羽生善治三冠。この先いったいどこまで勝ち続けるのであろうか。羽生三冠の凄さは誰もが知っていることだが、データをもとに改めて考えてみたい。

まずは通算の勝利数である。これは一時の勢いだけではなく、息長く積み重ねていかなくてはならない記録である。

通算勝利数

まだ42歳ながら、歴代第4位まで来ている。ちなみに今季は、ここまで67局指して50勝している。もしこのペースを保てれば、あと4年ほどで1位の大山康晴15世名人の記録を抜いて、トップに立つことになる。1500勝到達は間違いなく、前人未到の2000勝にも手が届くのではないかという感じである。とにかく驚異的な記録である。

若手との世代交代が心配されるが、現状では渡辺明竜王に負け越している以外は若手にもそれほど負けていない。まだまだ勝ち星を増やしていくだろう。


次にタイトル獲得数である。こちらは通算勝利数と比べて、ここ一番での強さが問われる記録である。
ちなみに竜王戦の前身である九段戦、十段戦は竜王戦の欄に含んでいる。

通算タイトル数

こちらの部門では昨年の棋聖戦で大山15世の記録を抜きトップに立っており、その後83期まで記録を伸ばしている。これからどこまで伸びるかだが、タイトルに関しては予想が難しい。一度手放してしまうと、また挑戦者になるのは大変なのである。現実的に考えて、100期に到達するかどうか、といったところであろうか。


という訳で、個人的な願望も込めて通算2000勝、タイトル100期まで記録を伸ばすのではないかと予想する。それにしてもこれほどまでの活躍をする棋士は空前絶後である。このような素晴らしい棋士の活躍を間近で見られるのは将棋ファンとして本当に幸せである。




LPSA問題について・その5

連盟から独立して新たに立ち上がった新団体のLPSA。だが当初の予定とは異なり一部の女流のみの独立となった。つまりは分裂という悲劇を招いてしまったのである。ではそこまでして独立した意味はなんだったのか。LPSAの存在意義について考えてみたい。

LPSAの活動で最も評価できるのは普及活動の面である。女子アマ王位戦、中学生女子将棋名人戦、小学生女子将棋名人戦等を主催している。特に若年層の女子大会を創設した点は素晴らしい。女性の将棋人口は少ないため、熱心な普及活動は不可欠である。

また、連盟側の女流の待遇が向上した部分もある。女流四段以上もしくはタイトル獲得経験者は将棋連盟の正会員となれるようになったのだ。分裂騒動の影響から、女流の待遇を改善しようという動きが出てきたのであろう。もっとも、LPSAの女流が恩恵を受けている訳ではないが・・・。

一方、本業であるはずの対局の面では、充実しているとは言えない。成績面では元から連盟の女流が勝っていたが、ここにきてその傾向が顕著である。連盟の女流は日に日に力を伸ばしている。これから先、さらに差がついていくと思われる。LPSAは普及をメインとしていて、あまり対局には熱心ではない様子なのである。ここが問題点である。

細かい話だが、LPSAの公式ブログの公式戦記録一覧を見ても、2008年度分までしか見られない。それ以降の分はどこかに記載されているのだろうか?あと、LPSA独自棋戦における通算成績も見当たらない。しかし、通算成績というのは棋士としての存在価値を示すものである。それを集計して、ファンにわかりやすく公表するのはプロ組織として当然である。そんな当たり前のことも理解していないのだろうか・・・?

自分の印象として、LPSAは公式戦の重要さに対する認識が著しく欠けているように見えてしまう。それがボイコットにも繋がっているように思う。いくら普及で素晴らしい功績を残しても、棋士の本分である対局をおろそかにしていては、なかなか将棋ファンの理解も得られない。LPSAには、本業の対局での今まで以上の頑張りを求めたい。個人的には連盟に再合流して切磋琢磨すべきと思うのだが。

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むりやり矢倉と嘘矢倉

先日のNHK杯決勝で羽生善治三冠がむりやり矢倉を用いた。これは非常に珍しく、プロの公式戦ではめったに出てこない。レアな戦法である。ただしアマチュアでは指す人も多く、それなりに勝てる戦法である。

また別の戦法として、嘘矢倉というのも存在する。名前の定義が曖昧なためよく混同される方もいるが、微妙に違う戦法なのである。


1 むりやり矢倉

プロでは田中寅彦九段がよく使っている。先後どちらでも使え、とにかく何がなんでも矢倉戦に持ち込もうという発想である。

よくあるパターンは第1図である。後手は横歩取りを目指しているのだが、先手がそれを拒否して5手目に角道を止め、ここから矢倉を目指す。

第1図


第1図以下、△8五歩に▲7七角と飛車先を角で受けておいて、この後矢倉に組み替えるのである。だいたい参考図のようになるが、後手の飛車先交換を阻止して、矢倉戦に持ち込めるのである。

参考図


組み替えるまで時間がかかるのが難点だが、横歩取りや相掛かりを指したくない人が矢倉戦に持ち込める、という点が大きい。特に大会などでは自分の土俵で戦いたいという意識が強くなる。よってアマチュアには愛用者が多いのである。


2 嘘矢倉

むりやり矢倉は何でもかんでも矢倉を目指すのに対し、嘘矢倉は「相手の出方によって戦い方を変える」という、高尚な戦法である。かつて、谷川浩司九段もよく用いていた。

具体的には第2図の後手番のような戦い方である。

第2図


第2図以下
▲4八銀なら△4二銀として相矢倉に。
▲2五歩なら△3三角から振り飛車に。

このように、相手の出方によって戦法を変えてしまうのである。

この形から矢倉になると、後手が飛車先不突き矢倉となる。これは通常形より後手が少し得している。このように、わずかな得を目指すのが、嘘矢倉の思想である。▲2五歩を決めてきた場合は飛車を振ることになるが、力戦好きの人なら向い飛車にしてみるのもいいだろう。


大雑把に説明したが、簡単にまとめると、むりやり矢倉は多少損してでも矢倉戦に持ち込むという、少し強引な戦法であり、嘘矢倉は序盤の駆け引きによって少し得しようという発想である。どちらも立派な戦法なので、ぜひ試してみてください。




米長玉で勝つ

有名な手筋に米長玉というものがある。故・米長邦雄永世棋聖が編み出した手法で、終盤の勝負どころで8八の玉を9八に逃げ、手をかせぐというものである。私の実戦でこの米長玉が実現して勝った将棋があるので紹介したい。

第1図

第1図は4七のとを△5七とと寄せたところ。この手が次に△7九竜からの詰めろとなっている。いっぽう後手玉はまだ詰めろではない。先手は横に利く駒を持っていないのが痛い。普通に指せば一手負けの局面である。

だが、ここで起死回生の一手がある。みなさんももうお分かりでしょう。

第1図以下 ▲9八玉(第2図)

第2図

これで先手が勝ちになっている。後手が詰めろを続けるには△7九竜、▲同金、△同飛成と突っ込んでくるしかないが、先手に飛車を渡すため▲8二飛で詰まされてしまう。しかし他の手では詰めろがかからない。なお、第1図では▲9六歩などでも勝てるかもしれないが、▲9八玉のほうが明快である。

第2図以下、△9四歩、▲8二銀、△8四歩、▲7三成桂・・・と進んでなんとか勝つことができた。米長玉の効果は絶大である。

この局面は創作された次の一手のように見えるかもしれないが、実際の対局で本当に現れたものである。手筋というのは、実戦に現れることも多く、われわれの想像以上に力を発揮する。ぜひともマスターして、実戦で活用したいものである。




未完の大器・阿部光瑠四段について

電王戦出場、それもトップバッターということで俄然注目を集めているのが阿部光瑠(こうる)四段だ。青森出身の18歳の若手棋士である。

インタビューを聞いた感じでは、まだ青森訛りも抜けておらず、飾らない素朴な少年という感じである。だが改めて調べてみると、かなりすごい経歴である。11歳で6級で奨励会に入会すると、2年半後の14歳のときには三段リーグ入りを果たしている。そして三段リーグもわずか2年で突破し、16歳で四段となっている。

16歳で四段というのは大変な記録で、現行の三段リーグができてからは、渡辺明竜王、佐々木勇気四段に次ぐ、三番目の年少記録だという。相当なスピード出世である。豊かな才能の持ち主であるのは間違いない。

プロ入りしてちょうど2年。まだそれほどインパクトのある活躍はない。だが、一度だけ将棋ファンをあっと言わせた将棋があった。朝日オープンで森内俊之名人に勝利した対局である。現役の名人に勝利し、しかも内容が素晴らしかった。四間飛車に対して左美濃から5筋の位を取るというスケールの大きな構想で、終始攻め続けて名人を圧倒したのだ。快勝と言っていい内容だった。

まだ経験が浅いため、安定感に欠けるところが欠点である。だが、そこもまた魅力である。まさに未完の大器なのだ。阿部四段にはタイトルを取ってもおかしくないような雰囲気がある。これからどのくらい伸びるのか、楽しみな棋士である。

電王戦に関して阿部四段は、特別な対策はせず、普通に戦いたいと述べている。阿部四段の才能あふれる将棋で、ぜひコンピュータソフトを打ち破ってもらいたいと期待している。




上田初美女王、女流最強戦を制す!

大和証券杯ネット将棋・女流最強戦の決勝戦は、上田初美女王が中井広恵女流六段を破り、初優勝を果たした。

本局は序盤から上田女王が指しやすそうな展開で優位を築いたものの、中井女流六段の粘りの前にミスが出て、混戦となった。だがそこから上田女王が底力を見せる。

第1図は△6四角と王手されたところ。対応が悩ましいが・・・。

第1図

第1図以下 ▲1七玉(第2図)

第2図

▲1七玉と逃げたのが好手だった。△1九竜が怖いが▲1八金と龍に当てる手があり大丈夫。冷静に考えれば浮かぶのだが、秒読みの中では、つい合い駒を打ってしまうものである。このあたりの落ち着きが印象的である。

混戦になっても冷静さを失わず、強気な指し手を貫いた上田女王が見事にこの将棋を制して初優勝となった。中井女流六段も敗れたものの、持ち前の終盤力はまだまだ健在のようだ。

女性のための将棋の教科書―誰でも簡単に始められる入門編







渡辺明竜王がNHK杯初優勝!羽生善治三冠、ついに敗れる

本日放送されたNHK杯決勝、羽生善治三冠-渡辺明竜王は渡辺竜王が勝利し、見事に優勝を果たした。渡辺竜王は3度目の決勝進出にして、これが初優勝になる。

一方、敗れた羽生三冠はここまでNHK杯4連覇、24連勝という驚異的な活躍を見せていたが、ついに敗れてしまった。ちなみにNHK杯戦での敗戦は2007年度の準々決勝、長沼洋七段戦以来だ。ここまで長い間負け知らずだったというのは驚異的である。

第1図


決勝戦は珍しい出だしとなった。8手目の△8四歩(第1図)である。最初は四間飛車にでもするのかと思っていたら、まさかの戦型である。

この指し方は「むりやり矢倉」と呼ばれている。アマチュアにはおなじみだが、プロではほとんど指されない。この作戦を羽生三冠が採用したのは驚きである。

この作戦のメリットは、先手が飛車先を2五まで突いていることである。定番の4六銀・3七桂型に組んでも、2五に桂が跳ねられないので面白くないのだ。しかし、角を使うのに時間がかかるのが欠点。角を6四まで持っていくのに、3三~4二~6四と3手かかってしまう。だから駒組が遅れてしまいやすい。プロで指されないのは、その辺りが理由だと思う。


一気に進んで第2図は終盤戦。今後手が△2七角と打ったところ。ここではすでに先手がよいらしい。私はこの手では△1四角が有力ではないだろうかと思っていたが、感想戦では特に取り上げられなかった。あまり上手くいかないのかもしれない。

第2図

第2図以下 ▲5四歩 △4九角成 ▲5五飛 △5二歩 ▲7四歩 △4八馬 ▲5六角(第3図)

第3図

第2図で▲5五銀と出ると△5四歩と受けられてしまう。そこで▲5四歩と自分から打ったのが、「敵の打ちたいところへ打て」の好手だった。角が成れる地点だけにうっかりしやすいが、△同角成なら▲5五銀で馬をいじめながらの攻めが可能である。

手順の最後の▲5六角(第3図)が絶品の一手だった。この角が四方によく利いている。この角打ちが実現して、形勢がはっきりした。以下、渡辺竜王がきっちりと勝利を収めた。

渡辺竜王の実力を考えると初優勝とは意外である。だが最近の充実ぶりは目を見張るものがある。長時間の棋戦での活躍が目立つが、早指し戦の安定感も抜群である。これから優勝回数を伸ばしてくるのではないだろうか。

永世竜王への軌跡







LPSA問題について・その4

LPSAは昨年の7月1日に公益社団法人に認定されたと発表した。それと同時に独自の棋士規定を発表し、当時ツアー女子プロという立場だった渡部愛さんを女流プロとすると表明した。だが、なぜこのタイミングでの発表となったのだろうか。もしかしたら公益社団法人の認定を受けたことで、連盟と対等の立場になったと思っていたのかもしれない。

だが、公益社団法人というものがどのようなものか調べてみると、公益性が社会的に認められ、寄付金等を受けるときに税制面で優遇される、といったような内容である。将棋のプロ棋士認定とは全く関係のない話だと思うのだが・・・。いずれにせよ、この時点で連盟側ときちっと話し合いを行わなかったことが大悪手だったのは間違いない。

それはともかく、LPSA側のプロ認定が妥当かどうかを考えてみたい。
まずはプロ認定の基準をLPSAの棋士規定から抜粋した。



A) 当協会主催の競技会である女子アマ王位戦又は小学生中学生女子将棋名人戦に於いて、優勝3回或いは準優勝4回以上の成績を残した者。
(尚、当協会主催大会が今後増加した場合には上記大会と同等に取り扱う)
B) 当協会主催の公認棋戦である日レスインビテーションカップ又は天河戦での優勝1回ないし準優勝2回、または準公認棋戦である1dayトーナメント各大会(個人戦のみ該当)に於いて優勝3回の実績を残した者。
 


正直な話、この基準は甘いと思ってしまう。まずAだが、女性のアマチュア大会は男性と比べてまだまだ参加人数も少なく、層も薄い。そこでの成績だけでは判断できないだろう。特に小学生大会で優勝したからプロ、と言うのは一般の方にはなかなか理解されづらいと思う。
連盟側は現在、研修会というところで修行を積ませている。そこでプロの卵である男の子達と争っている。それと比べるとどうしてもレベルが落ちてしまうように感じる。

次にBだが、渡部さんはこちらの条件を満たしている。1dayトーナメントで過去4回優勝しているのだ。だが、このトーナメントも評価が難しい。毎回6名程度で行っており、全棋士参加の公式戦ではないのだ。時にはアマチュア大会や、ファン投票による選抜大会が行われたりもする。つまりは企画物の大会なのである。こういう内容では、将棋ファンの人たちも判断のしようがないという感じであろう。

個人的には渡部さんには将来性を感じているし、ぜひプロになってもらいたいと思っている。だからこそ、今からでも連盟の研修会に入会し、そこで研鑽を積んで正真正銘のプロになってもらいたいと願っている。組織のゴタゴタに巻き込まれるのはあまりにも可哀想である。

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Author:gyan
30代の男です。棋歴は20年位で、アマ二段の免状をいただいております。居飛車党で横歩取りが得意。羽生善治先生の大ファンです。

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