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里見香奈女流、五冠なるか!

明日はマイナビ女子オープン第3局、上田初美女王-里見香奈女流四冠が行われる。里見女流四冠が勝てば女流棋界史上初の五冠王の誕生となる、大注目の一局である。

里見女流四冠は戦法が多彩である。第1局は先手で石田流、第2局は後手で横歩取りだった。本局はどんな戦型になるか予想もつかない。もしかしたら相掛かりや角換わりが見られるかもしれない。

カド番となった上田女王だが、将棋界にはタイトル戦で2連敗後の3連勝という例もある。まずは1勝をあげて、反撃ののろしを上げたいところである。




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将棋倶楽部24に望むこと・前編

ネット将棋といえば将棋倶楽部24がもっとも有名で、私も利用させてもらっている。無料で全国の強豪といつでも対局ができ、大変便利なサイトである。

とはいえ、改善してもらいたい部分もいくつかある。というのも、今ではネット上で指す将棋ファンが主流になりつつある。そのファンに対してよりよい環境を提供するのも、将棋連盟にとって大事なことだと思うからである。無料だからと言ってサービスの質が悪ければ、ファンは離れていってしまう。

① 持将棋・千日手の判定機能

ネットで指す人の中には、ルールが曖昧な人、チャットが苦手な人、あるいは引き分けの提案に応じようとしない人などいろいろな人がいる。そもそも顔の見えない匿名の対局で、両者の合意というのは難しいのではないか。自動的に引き分けとしてくれるようなシステムがあるとありがたい。

千日手の判定は機械が一番得意とするところであり、簡単にできるのではないだろうか。持将棋に関しては独自の規定を決めて、それにそって運用すればよいと思う。

② 段級位の基準が厳しすぎる

自分の知り合いに1級くらいの人がいるが、将棋倶楽部24では6,7級くらいしかなくて驚いた。とにかく基準が厳しすぎるのである。これでは将棋ファンのやる気をそいでしまい、ファン離れに繋がってしまう。いっそのこと段級位はなくして、点数の表示だけでもいいのではないか。

③ 王手放置の禁止

将棋倶楽部24では不思議なことに、王手放置の手を指すことが可能なのである。しかしこれはマナー違反である。王手放置の手は指せないようなプログラムにしてもらいたい。

実は二歩のような他の反則手は打つことができない。マウスをクリックしても、そこに駒が置けないようになっているのだ。王手放置も同様に改善してもらいたい。




5月の予定

名人戦
森内俊之名人(2勝)- 羽生善治三冠(0勝)

第3局 5月9日~10日
第4局 5月21日~22日
第5局 5月30日~31日


マイナビ女子オープン
上田初美女王(0勝)- 里見香奈女流四冠(2勝)

第3局 5月1日
第4局 5月15日
第5局 5月29日


女流王位戦
里見香奈女流王位(1勝)- 甲斐智美女流四段(0勝)

第2局 5月9日
第3局 5月22日


ちょっと気になるのだが、名人戦第4局の2日目と女流王位戦第3局が同じ日なのである。特に今回は、どちらも決着局となってしまう可能性もある。せっかくのタイトル戦なのにファンの注目が分散してしまってもったいない。

そろそろ開催日程を再考する必要があると思う。別の日に開催したほうが、ファンも楽しめるのではないだろうか。女流棋戦は持ち時間が短めなので、土日に行って多くの人に見てもらうのも一つのアイディアである。




「才能」は関係ない

将棋指しの実力を語るとき、よく才能という言葉が使われる。たしかに人によって才能に差があるのは事実である。だが才能というものは、将棋の強さや勝敗には全く関係がないと自分は思っている。

例えば自分は10秒将棋をやるとものすごく弱い。全く手が見えず、ボロボロになって負けてしまう。早見えの人が羨ましいと感じることも以前はよくあった。

だが逆に考えると、10秒で手が見えなくても、30秒、あるいは1分考えれば、じゅうぶん自分の力を発揮できるのだ。時間をかけてじっくり考えればいいだけのことである。だから手の見え方が遅くても、なんら気にすることはない。むしろ丁寧に指す習慣が身につくのではないだろうか。

もちろん早見えが悪いということではない。それぞれが自分に合ったスタイルを構築していけばよいのである。

将棋界では若いうちに活躍しないと、その棋士は才能がないとレッテルを貼られてしまう。だが実際には遅咲きの棋士が活躍する例は多い。丸山忠久九段や藤井猛九段は奨励会試験で落ちたことがある。だがその後の努力によって、それぞれ名人、竜王にまで上り詰めたのである。才能云々よりも、日々の将棋への取り組み方が大事なのではないだろうか。

初段になるための将棋勉強法







GWはコンピュータ将棋選手権!

第2回電王戦の余韻も冷めやらぬまま、5月3日~5日に第23回世界コンピュータ将棋選手権が行われる。

http://entcog.c.ooco.jp/WCSC23/kaisai/

電王戦でプロ棋士から歴史的勝利をあげたGPS将棋、ツツカナ、Ponanzaら強豪ソフトがしのぎを削る、大変興味深い大会である。ゴールデンウィークの予定が空いている方は、中継を見て楽しめるのではないだろうか。

まだ第3回電王戦の開催は未定だが、開催されるなら今大会の上位ソフトの参加が予想される。それだけに各プログラマーは虎視眈々と上位を伺っていることだろう。

注目したいのは、女流の竹部さゆり女流三段と渡辺弥生女流1級が参加しているという「メカ女子将棋」である。聞くところによると、二人は棋譜のチェックや評価関数に関するアドバイス等を行っているという。1次予選からの参加だが、どこまでやるのか楽しみである。




脳内将棋盤の作り方

脳内将棋盤という言葉がある。プロ棋士は盤面を見なくても局面を覚えていて、頭の中で何手も先までスラスラと駒を動かすことができるのだが、聞いた話だと、頭の中で色付きの盤がくっきりと明瞭な形で浮かび上がるという。

自分の脳内将棋盤は、白黒でぼんやりとしている。微妙な駒の配置や持ち駒等は曖昧になってしまう。とても完全な脳内将棋盤とは言えない。

脳内将棋盤ができると、読みの速度や正確性が飛躍的に高まると思う。具体的に言うと、5手先、7手先を素早く読めて、正確に形勢判断できるようになる。有段者が高段、さらに全国大会レベルへと上がっていく段階でおおいに役立つと思う。

ここで、自分が脳内将棋盤を作るためにしているトレーニングを紹介したい。それは盤面を見ずに詰将棋を解くことである。これが意外と難しい。1手詰や3手詰でも時間がかかるのである。この練習を繰り返せば、自然と脳内将棋盤ができてくることと思う。

例題を1問ほど。

攻め方 1三飛 4二と
玉方  1二金 2二玉 3三歩
持ち駒 金 銀

図を見れば簡単に解ける問題である。こういう簡単な問題を少しずつ練習していくことが脳内将棋盤を作る上でとても役に立つ。

初段になるための将棋勉強法







3冠対決へ!渡辺明竜王が棋聖戦挑戦者に

棋聖戦の挑戦者決定戦が昨日行われ、渡辺明竜王が郷田真隆九段を破り、挑戦権を獲得した。

第1図

本局は両者が実力を発揮し、難解な終盤戦となった。そして迎えたのが最終盤の第1図。

第1図より ▲1二桂成 △同玉 ▲2四香(第2図)

桂捨てで後手玉を端に追いやって▲2四香が厳しかった。なかなか思い浮かばない寄せの構図である。難解な終盤を渡辺竜王が見事に勝ち切った。

第2図

これで棋聖戦は羽生善治棋聖との3冠対決となった。3冠同士の対決は将棋界史上初である。もし渡辺竜王が勝つと自身初の四冠となり、ついに棋界の頂点に立つこととなる。かつての竜王戦を超える歴史的な名勝負が見られるかもしれない。




合議制の可能性は?

2010年に清水市代女流王将(当時)と戦ったコンピュータの「あから2010」のことを覚えている方も多いだろう。ボナンザ、GPS将棋、YSS、激指という4つのソフトによる合議制によって指し手を決めていたことは有名である。

この合議制というのは非常に効果的なようで、一つ一つのソフトにはまだ欠点が少なからずあるが、合議制によりそれを補い合うことで、ミスが大幅に減るようである。実際にこの対局は「あから2010」が快勝している。

では人間同士の合議制はどうだろうか。実は明日、ニコニコ超会議2というイベントでそのような趣旨の企画が行われるのである。

超囲碁・超将棋 http://www.chokaigi.jp/2013/booth/category/igoshogi.html

登場するのは女流棋士の3人、本田小百合女流三段、安食総子女流初段、熊倉紫野女流初段である。この3人が合議制で指し手を決めて電王戦出場ソフトと対局するそうである。

一体どんな将棋になるのか楽しみである。正直なところ、かえって指し手が乱れてしまうのではないかと予想しているのだが・・・。




伸びる人・伸びない人その4

将棋を指す上で、様々なマナーや作法がある。例えば駒の並べ方には「大橋流」「伊藤流」という2通りの作法があるのだが、意外と知らない人が多い。

このような作法をきちっと守れる人は棋力の伸びも早い。決まりを守る人は、物事を意欲的に学んだり、他者を尊重しようという気持ちを持っているからである。それが将棋にもいい影響を与えるのだ。また、きちっとした作法で取り組むことによって、目の前の一局の将棋に対する集中力も格段に増す。集中して取り組めば上達も早くなる。

また道具に愛着を持って大事にすることも大切である。かつて大山康晴15世名人が、将棋に強くなる秘訣として、高い駒を買うことと答えていた。これは高級な道具を使うことで、自然と丁寧に指すようになるという意味であるようだ。

あと、強い人を尊敬する気持ちも大事である。他者を尊敬するというのは、他者のよいところに気づいているということである。だから人の指し方を見習って、自分の将棋に取り入れることができるのだ。他者を尊敬できない人は、いつまでも我流のまま伸びないのではないだろうか。

初段になるための将棋勉強法







里見香奈女流が快勝スタート!

女流王位戦が開幕し、里見香奈女流王位が甲斐智美女流四段に快勝し、初防衛に向け、好スタートを切った。

第1図

本局は甲斐女流四段のゴキゲン中飛車に対し、里見女流王位が丸山ワクチンで対抗する展開に。

第1図より ▲1六歩 △8四歩 ▲1五歩 △8三銀 ▲1四歩 △同歩 ▲1二歩 △同香 ▲2四歩(第2図)

遅いようでも1筋を伸ばしていくのが好手だった。将棋はこのようにじっくり駒を使っていく手が好手になることが多い。対して冷静な棋風の甲斐女流四段も△8四歩からじっくり指したが、もう少し後手から動いていくべきだったようだ。

本譜は香を釣り上げて▲2四歩と教科書通りの攻めが決まった。第2図は先手が有利である。

第2図

第1局から里見女流王位が強さを発揮して快勝した。持ち時間も2時間近く残しており、まだまだ余裕といった感じである。一体どこまで強くなるのであろうか。

女流名人倉敷藤花里見香奈 好きな道なら楽しく歩け







伸びる人・伸びない人その3

多くの伸びない人に共通しているのは、ズバリ言い訳が多いことである。気持ちはよくわかるが、本気で強くなろうと思ったら言い訳してはいけない。ここで、自分が聞いたことのある言い訳をまとめてみたい。

・仕事が忙しくて勉強できない。

・大会で負けたのは、くじ運が悪かったからだ。

・あともう少し持ち時間があれば自分が勝てていたはずだ。

・自分のほうが強いのに、ハメ手でやられてしまった。

このようなことを言う人が、結構いるのである。だが言い訳する人は、自分が負けた理由に気づかず、反省していないことが多い。だから欠点が直らず、同じ負け方を繰り返すのである。

強くなる人は素直に自分の負けを受け入れ、その上で反省して次に活かしている。人間には誰しも弱点はあるが、それを冷静に見つめ、改善することで少しずつ成長していけるのである。

初段になるための将棋勉強法







明日から女流王位戦が開幕

明日から第24期女流王位戦が始まる。里見香奈女流王位-甲斐智美女流四段という二年連続の顔合わせである。

対戦成績は女流棋戦では里見女流王位が10勝2敗と圧倒している。NHK杯の出場者決定戦では甲斐女流四段が勝っているが、それを含めても10勝3敗と差がついている。

甲斐女流四段としては何としても初戦を勝って苦手意識を払拭したいところだろう。第1局から目が離せない展開となりそうだ。

中継サイト http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/




羽生善治三冠不調?名人戦は2連敗に

第71期名人戦第2局は森内俊之名人が羽生善治三冠を109手で破り2連勝、防衛に向けて大きく前進した。

気になるのが羽生三冠の指し回しである。指し手がちぐはぐで精彩を欠いているように見える。また、不利になってからの粘りも少ない印象である。

第1図

第1図は△9五歩と突き捨てを入れたところ。以下▲同歩に△5九角と攻めたのだが、この突き捨てを見事にとがめられてしまう。

第2図

第2図は数手後の局面。先手に堂々と9筋の歩を伸ばされ、と金を作られてしまった。代償として何か攻めがなければおかしいのだが、思わしい手がない。

第2図以下、△9七歩、▲8八玉、△6六馬、▲7七桂と進んで、これ以上攻めがない。ここからは淡白な指し手が続き、そのまま後手の投了となってしまった。

こんなにあっさり敗れる羽生三冠は見たことがない。絶不調のようである。ただ、まだシリーズは終わっていない。ここからの巻き返しに期待したい。

決断力 (角川oneテーマ21)






伸びる人・伸びない人その2

伸び悩んでいる人の多くは、自分の得意な戦法、指し方にこだわり過ぎているのではないだろうか。こだわりを持つのは悪いことではないが、こだわり過ぎては、そこで成長が止まってしまう。

例えば常に矢倉戦ばかり指している人は、手厚い指し回しが身についていることだろう。だがその一方で、空中戦のような大駒をダイナミックに使う指し方や、振り飛車のような軽快に捌く感覚が身についていない。それらを学ぶ機会が全くないのである。

あるいは受けが得意な人でも、自然と受け身になりすぎて消極的な将棋を指していたりする。せっかく受けが強いのに、なかなか勝率が伸びないのではないだろうか。

強くなりたければ、自分の棋風をどんどん変えていくことである。変えることによって、今まで気づかなかったことを発見でき、将棋の幅がグッと広がってくる。そうすることで、勝率が飛躍的にアップするのは間違いない。

戦法にこだわりを持つのは、アマチュアの高段者クラスになってからで構わない。それまでは自分の形にこだわらず、何でも取り入れるつもりで取り組んだほうがよいと思う。

初段になるための将棋勉強法







伸びる人・伸びない人その1

自分はアマチュアとしてそれなりに長い間将棋を指し、大会にも参加してきた。そこでいろいろな人を見てきたが、やはり人によって伸びる人と伸びない人がいるのである。その違いについて、自分なりに感じたことを書いていきたい。

伸びる人の一番の特徴は、なんといっても将棋が大好きで、熱中して取り組んでいることである。こういう人はすぐに強くなる。棋譜並べや詰将棋といった日々の勉強も前向きに取り組めて長続きするし、対局中にも集中力を発揮できるのである。とにかく夢中になることが大切である。

ところが伸びない人というのは、「詰将棋を解いても本当に強くなれるんだろうか?」とか、「自分は才能がないからどうせ勝てないんだ」というように、余計なことを考えてしまっている場合が多い。こういう人は残念ながらあまり伸びないのである。

とにかく余計なことは考えずに、好きなことに夢中になって取り組む。そのような姿勢が、上達につながるのだと思う。

初段になるための将棋勉強法







名人戦第2局、後手の作戦に注目

第71期名人戦第2局、森内俊之名人-羽生善治三冠が明日から行われる。初戦を落とした羽生三冠が後手番でどのような作戦を選ぶかが注目である。

昨年の王座戦第2局では意表を突く角交換四間飛車を採用し、後手番で見事勝利を収めている。羽生三冠はシリーズ中に戦い方を思い切って変えてくることがある。今回も振り飛車を採用してくるのではないかと推測する。

電王戦ではコンピュータの驚異的な強さが目を引いたが、人間同士の戦いにはまた違った魅力がある。熱戦を期待したい。




第3回電王戦、開催の是非は?

世間では早くも第3回電王戦に期待が集まっている。今回、A級の三浦弘行八段ですら敗れたことを考えると、いよいよタイトル保持者、そして名人との対局を期待しているファンも多いことだろう。

だが、個人的には複雑である。大会自体は盛り上がり、将棋界、そしてコンピュータの開発分野において発展に大きく貢献したと言えるだろう。だが、対局者となる棋士個人にとってはあまりにも負担が大きすぎると思うからだ。

そもそも棋士にとってはプロの公式戦こそが本来の土俵である。野球でいえばペナントレースである。そこでいい棋譜を残し、好成績を収めることが棋士の務めなのである。

だが、コンピュータと戦うとなると特別な準備が必要となってくる。そちらに時間を取られると、公式戦に支障が出てくる。そうなってしまっては本末転倒である。タイトル保持者クラスになると尚更のことである。大事なタイトル戦を前に、コンピュータ対策ばかりする訳にはいかない。

また、負けたときのダメージがあまりにも大きすぎる。たまたま1局負けただけだとしても、「タイトル保持者が負けた」、「名人が負けた」という事実だけが報じられてしまう。逆に勝ったとしてもタイトルをもらえる訳でもなく、メリットが少ない。

個人的には、来年すぐやる必要性はないと思う。まずはプロの公式戦にもっと目を向けてもらえるような取り組みをすべきである。そして、将来もしコンピュータとの対戦を希望するような強い棋士が現れたなら、そのときに戦えばよいのではないか。少なくとも、毎年5人も出すべきではないと思う。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







隙が無かったGPS将棋

第2回電王戦最終局の三浦弘行八段-GPS将棋を改めて振り返ってみたい。本局は中盤からGPS将棋が一方的に攻めてそのまま寄せきってしまった。中盤以降の指し手が完璧で、全く隙が無かった。

第1図は先手が1歩得で、なんとなく後手の大駒をいじめながら盛り上がっていけそうな局面に映る。先手が有利だと思っていたのだが・・・。

第1図

第1図より △7五銀 ▲同金 △同角 ▲7七銀 △6四角 ▲7六銀打 △7二飛(第2図)

△7五銀が好手だった。平凡な手だが、先手から▲7五銀と打たれると手厚くなるため、それを阻止したのだろう。以下▲7七銀と打たせておいて、さっと△6四角と引く。この角が意外といじめづらいのである。

先手は▲7六銀打とぼんやり打ったが、そこでじっと△7二飛と回る。8二に角の引き場所を作った渋い手である。

第2図

第2図より ▲6七金 △8四金 ▲6五歩 △8二角 ▲6六金 △7四飛 ▲7五歩 △7二飛(第3図)

先手は▲6七金からの盛り上がりを狙う。次に▲6五歩~▲6六金~▲7五銀のようになれば理想である。

だが、ここで△8四金が手厚い好手だった。7五の地点に利かしているのが大きく、先手の狙いが消されてしまった。以下、悠々と歩損を解消し、後手が好調である。

第3図

第3図までくればアマチュアの自分が見ても後手が優勢だとわかる。先手はこれ以上金銀を盛り上げるのが難しく、一方後手の大駒はいじめられることなく安定している。矢倉囲いも健在で、言うことなしの局面である。

それにしても中盤の応酬でA級の三浦八段相手にここまで差をつけることのできる棋士はいるだろうか。第1図から第3図まで、わずか15手のことである。この一連の指し回しを見る限り、もはや人間レベルではないと感じている。




GPSが三浦弘行八段に完勝!電王戦はコンピュータが制す

第2回電王戦最終局、三浦弘行八段-GPS将棋は102手でGPS将棋が完勝、3勝1敗1分でコンピュータ将棋側が見事にシリーズを制した。

最終局は互いに目に見える悪手がない将棋だったが、終わってみればGPS将棋の圧勝に終わった。驚異的な強さである。正直、人間が戦えるレベルではないと思う。内容・結果を見て、プロ棋士をはっきり超えたといえるのではないか。

三浦八段はトッププロらしく堂々と戦い、随所に深い読みを発揮して途中では角得になる場面もあった。だがそれもGPS将棋の読みの範囲内。攻めを確実に繋ぎ、粘りを一切許さなかった。

ここまで強いコンピュータを開発した方々、そしてプロとしての誇りをかけて戦った5人の棋士には改めて敬意を表したい。来年、第3回があるかどうかは不明だが、たとえタイトル保持者が出たとしても、大きく結果は変わらないのではないか。今回のシリーズで大きな節目を迎えたのは間違いない。




美学とは何か

第2回電王戦第4局、塚田泰明九段-Puella α戦の観戦記が掲載された。河口俊彦七段による観戦記であるが、これを読んだ方はどういう感想をお持ちだろうか。私は少し違和感を覚えた。

観戦記はこちら http://news.nicovideo.jp/watch/nw588820

この中で河口七段は塚田九段の粘りに対し否定的で、最後には「二度とこういう将棋は見たくない」とまで書いている。プロの中には美学というものにこだわる棋士が多い。勝ち目がなくなったら、そこで投了するべきという考え方である。

だがスポーツ等の勝負事では、最後まで諦めない姿勢というのは実に大切である。例えば「野球は9回2アウトから」という言葉がある。たとえ勝ち目がなくとも、試合が終わるまで全身全霊で戦い抜くのが、選手としての務めなのである。

もちろん将棋はスポーツとは違う。だが、いつ投了するかを決めるのは最終的には対局者自身である。そこは本人の意思が尊重されるべきであり、周りがとやかく言うことではないのではないだろうか。

また観戦記の中に、河口七段が立会人に対し、対局の中断をしきりに促したという記述もある。ここにも違和感がある。これ以上辛くて見ていられないという心情からくる発言だったと思うが、これだけ多くの人が注目する大舞台である。一人の観戦記者の感情によって裁定が左右されるべきではないと思う。

特に今回は、人間対コンピュータという特殊な対局なのである。コンピュータが点数計算をできるかどうか、という所も含めて勝負なのだ。

最終局も入玉型の点数勝負になる可能性はある。だが、精一杯戦っている対局者が批判されるような状況はいかがなものかと思う。三浦弘行八段には、周りの声は気にせず、自分の指したいように堂々と指してもらいたい。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







電王戦、明日いよいよ最終局

明日20日、いよいよ第2回電王戦最終局、三浦弘行八段-GPS将棋が行われる。

振り返ると、第1局と第3局が角換わりの将棋、第2局と第4局が矢倉模様の将棋だった。最終局はどうなるだろうか。個人的な興味としては振り飛車を見てみたいが、矢倉になりそうな気がする。

GPS将棋は670台のパソコンをつないだ大規模クラスタである。これにより1秒間に2億手を読むことが可能という。途方もない数字である。コンピュータ将棋は欠点も多いが、読みの量を増やすことにより、欠点をかなり補えるようだ。このGPS将棋はほとんどスキがないと言ってもいいのではないだろうか。

一方の人間側の課題はプレッシャーから消極的な受けを指してしまうことだろう。特に第4局はその傾向が顕著だった。だが最終局を戦うのはA級の三浦八段である。強気な戦いぶりに期待したい。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







藤井猛九段の名局・竜王戦挑戦者決定戦

将棋界一の人気者といえば藤井猛九段である。いつからこんなに人気が出たのが不明だが、現在では絶大な人気を誇っている。序盤に対するこだわりと、独特なキャラクターが人気の秘訣のようだ。

その藤井九段の名局の一つが、1998年竜王戦の挑戦者決定戦第3局、羽生善治四冠戦(当時)である。後の竜王位獲得につながる大一番である。

第1図

第1図は先手が藤井システムに出たところ。この頃はまだ居飛車の対策が確立されていなかったため、後手は今では見ない指し方となっている。ここで先手が▲5四銀と指したのが独特の感覚。普通は相手玉に近い▲3四銀とするのだが、5四の方が勝ると見たようだ。

そして終盤を迎えた第2図。ここで得意のガジガジ流が出る。

第2図

第2図より ▲3四歩 △同金 ▲4三桂 △4二銀 ▲4一金(第3図)

▲3四歩と叩いた後、▲4三桂~▲4一金と俗手で迫る。これが厳しかった。有利なときはわかりやすく攻めるのがよい。後手は第3図から△5三角と受けたものの、▲4二金、△同角、▲4一銀成でついに受けがなくなった。着実な攻めで圧倒した一局であった。

第3図

藤井九段の勝ち将棋には完勝が多い。序盤で優位に立ち、終盤はわかりやすく攻め、確実に勝つ。非常に美しい将棋である。またタイトル戦で藤井将棋を見られる日も近いのではないだろうか。




詰将棋選手権の問題を解いてみた

先日行われた第10回詰将棋解答選手権の問題と正解が公表されたので、どのくらいのものか試しに解いてみたのだが、大苦戦させられレベルの高さを痛感した。

問題はこちらから http://blog.goo.ne.jp/shogi-problem

結果がこちら。
成績

初級戦は順調に解けたが、それでも第6問は結構考えさせられた。5手詰めながら難しい問題である。一般戦は難易度がかなり上がり大苦戦。第3問は3手目が全く見えずギブアップ。第4問も初手は思いついたが3手目▲3二銀ばかり考えて詰まず不正解。結局4問の正解にとどまった。

チャンピオン戦は辛うじて1問解いたが、他は手も足も出ず。宮田敦史六段はパーフェクトだったというから、驚く他ない。

来年までに解答力を磨いて再チャレンジしたい。

逆転の3手詰 (将棋連盟文庫)







矢倉囲いの急所

相矢倉はアマチュア間でもっとも人気のある戦型の一つである。とはいえ、矢倉囲いは固く、どうやって攻めたらいいのか分からない、という人もいるだろう。そこで、攻め方のコツを少し紹介したい。

よく取り上げられるのは▲4一銀とかける形だが、これは横から攻める場合である。実戦では縦から攻める場合のほうが多いだろう。そのときはズバリ、1三の地点を狙うのがオススメである。

まずは第1図は2012年3月のNHK杯決勝、羽生善治二冠-渡辺明竜王。

第1図

第1図より ▲1三桂成 △同桂 ▲1四歩 △3五銀 ▲同角(第2図)

ここで▲1三桂成と捨ててから▲1四歩と攻めるのがポイント。後手に△3五銀と取られてしまうが▲同角と取り返しておいて、次の▲1三歩成を狙う。

第2図は飛車を取られたものの、次に▲1三歩成や▲7一角の筋でじゅうぶん攻めが繋がる。このように多少駒損してでも攻めを繋ぐ感覚が大事である。その際には端をからめるのが効果的である。

第2図

続いて第3図は自分の実戦から。▲3八飛くらいでも指しやすそうだが、もっと厳しい手があった。

第3図

第3図より ▲1三銀(第4図)

この▲1三銀が厳しい。実は第1図からの▲1三桂成を知っていて、それを参考にして思いついた手である。対して△同玉なら▲1五飛でいきなり詰んでしまう。また△同銀も▲1五飛で端が受からない。結局▲1三銀には△3一玉と逃げるしかないが、▲2四銀成~▲1五飛で飛車の成り込みに成功した。

第4図

矢倉囲いを縦から攻める場合、1三の地点は一つの急所である。この地点を効果的に攻められれば、相矢倉戦の勝率がグッとアップするのではないだろうか。

矢倉の急所―4六銀・3七桂型 (最強将棋21)







里見香奈女流快勝、五冠に王手!

本日行われたマイナビ女子オープン第2局は里見香奈女流四冠が上田初美女王に快勝、2連勝となった。

第1図

本局はなんと横歩取りの進行となった。それだけでも珍しいが、第1図の△8二飛が斬新な手。横歩取り8二飛戦法とでもいえばいいのだろうか。自分ははじめて見た手だが、中継のコメントによると4局ほど実戦例があるそうだ。里見女流四冠が深く研究してきた戦型なのは間違いない。

第2図

そして第2図を迎えたが、ここでは後手が指しやすいようだ。中央を制圧し、大駒も捌けている。対して先手は攻め駒の働きが弱い。里見女流四冠の構想力が上回ったようだ。ここから攻め合いとなったが、後手が厳しい攻めで寄せきった。快勝で里見女流四冠の2連勝となった。

これで女王位獲得と史上初の女流五冠まであと1勝となった。達成すれば歴史的な快挙だが、今の里見女流四冠にとっては当然のことのように思える。それくらい突出した存在である。




明日はマイナビ女子OP第2局

明日はマイナビ女子オープン第2局、上田初美女王-里見香奈女流四冠が行われる。

中継サイト http://mynavi-open.jp/

上田女王は前回の女流名人位戦では大健闘したものの、その他の棋戦では里見女流四冠に全く勝てていない。本局は勝負どころである。なんとしてでも踏みとどまり、星を五分に戻さなければならない。

戦型だが、後手の里見女流四冠の中飛車、上田女王の居飛車と予想する。人間同士の熱い戦いに期待したい。




コンピュータ将棋、驚異の進化

電王戦第4局、塚田泰明九段対Puella α(プエラアルファ)は持将棋による引き分けに終わった。だが、将棋ファンにとってはショッキングな一局だったのではないか。将棋の内容の面において、明らかにコンピュータ側がまさっていたからである。第2局、第3局は途中、プロ棋士側に勝つチャンスがあった。だがこの第4局は序盤から終始Puella αの強さばかりが目立っていた。

第1図。先手の陣形が非常に美しく、人間的で自然である。図だけ見れば、コンピュータが指しているとはわからないのではないだろうか。この辺りも一つの進化である。

第1図

第1図より ▲1四歩 △同銀 ▲同香 △同香 ▲8三銀 △7一飛 ▲2六角(第2図)

後手の8三の地点が空いたので、チャンスと見て一気に仕掛ける。そして▲8三銀を実現させ、△7一飛に▲2六角と追撃する。この銀と角のコンビネーションが厳しい。人間だと、▲8三銀の筋は玉から遠く、大したことがないと考え、軽視するだろう。だがコンピュータはその先を読んでいる。

第2図

余談だが、昔のコンピュータなら▲2六角のところ、▲8二銀不成~▲9一銀成と香得をして喜んでいたと思う。だが現在のコンピュータはそういう手は選ばない。駒得よりも働きを重視しているようである。

そして数手進んだ第3図。後手は桂香と銀の交換でと金もできている。まだまだ互角以上に戦える局面だと思う。だがここから差がついてしまった。

第3図

第3図より ▲6四成銀 △同歩 ▲4四銀 △同金 ▲同馬 △3三銀 ▲5四馬 △4三銀 ▲6三馬(第4図)

単純に▲6四成銀と取って▲4四銀と打つ手が厳しかった。この手は平凡すぎて、塚田九段はおそらく警戒していなかったと思う。いわゆる「指されてみると厳しい手」という感じである。

これがあるなら、第3図の△8五桂は△1五角の一手だったと思う。角を動かせば、▲4四銀には△4二金引があるので、前述の攻めが厳しくない。この辺りは後手が完全に読み負けていたようだ。

後手はこの後△3三銀~△4三銀と固めたが、これでは苦しい。角が活用できなくなってしまい、完全に攻め手を失ってしまった。△3三銀では△3三角とぶつけるべきであっただろう。第4図は後手がかなり悪くなっている。

第4図

本局は中盤での人間の細かいミスをコンピュータが完璧に咎めたという内容だった。結果は引き分けに終わったものの、コンピュータがプロを超えたという可能性を示した一局なのではないか。それくらいこの日のPuella αは強かった。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







持将棋とは何か?

電王戦第4局の塚田泰明九段-Puella α(プエラアルファ)は持将棋が成立し、引き分けとなった。将棋ファンならすでにご存知かと思うが、この持将棋というものはどんなルールなのか説明したい。

第1図

第1図のように、お互いに入玉(敵陣に玉が入る事)し、周りに成駒をたくさん作ると、どちらも相手玉を詰ますことができなくなる。このような状況になったときに、点数でもって勝敗を決めましょう、というルールである。

点数とは、飛と角が5点、金・銀・桂・香・歩を1点と数える。通常は24点法というルールを用いているので、どちらも24点以上ある場合は持将棋が成立して、引き分けとなる。どちらかが24点未満であったら、足りない側の負けとなる。ちなみに玉は点数に数えない。また、持ち駒は点数に含む。成駒の点数は元の駒と同じである。

また勘違いしやすいのだが、互いに入玉した瞬間に持将棋が成立するのかというと、そうではない。成立のタイミングに厳格な決まりはなく、最終的にはお互いの合意があってはじめて成立となる。だから入玉されてもまだ詰ます可能性がある、あるいは点数を稼げると思ったら、戦い続けて構わない。この辺は多少ルールが曖昧なのである。

持将棋が成立したらプロの棋戦では引き分け扱いとした上で、もう1局指し直して勝敗を決める。ただ、アマチュア同士の遊びであれば、無理して指し直す必要はないのではないか。将棋は勝敗がはっきりつくのが魅力だが、たまには引き分けで終わるのも悪くないと思う。

羽生善治のみるみる強くなる将棋入門







塚田泰明九段、執念の引き分け。決着は最終局に

第2回電王戦第4局、塚田泰明九段-Puel​la α(プエラアルファ)は230手にて両者の合意により持将棋が成立、引き分けとなった。これで成績はコンピュータの2勝1敗1分となり、シリーズの行方は最終局の三浦弘行八段-GPS将棋に持ち越された。

第1図

長手数だったため、詳細は後日改めて書こうと思うが、簡単に振り返りたい。第1図は102手目の局面。守勢に回った塚田九段が入玉を目指したところだが、大駒を全て奪われており点数が13点しかない。本局はプロの公式戦と同じ24点法を用いており、あと11点も取らなくてはいけない、絶望的な状況である。

第2図

しかし、そこから延々と粘り続けて第2図が230手目の局面。かなりの数の駒を取り返し、24点に達している。ここで持将棋が成立し、引き分けとなった。

絶望的な第1図から128手も戦い続け、ついに引き分けに持ち込んだ。まさに執念である。塚田九段は終局後、感極まった様子だったが、それだけこの将棋に縣けるものがあったのだろう。本当に素晴らしい名勝負だったと思う。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る







羽生善治三冠、2日制は苦手??

先日の名人戦第1局は挑戦者の羽生善治三冠が森内俊之名人に敗れた。気になるのが、羽生三冠が2日制のタイトル戦において、このところあまりいい成績を残せていない点だ。2日制は名人戦、竜王戦、王位戦、王将戦の4つのタイトル戦があるが、この内、現在羽生三冠が保持しているのは王位ただ一つである。

そこで、2日制と1日制のタイトル戦ではどの程度結果が違うのか、検証してみたい。下の表が、羽生三冠の過去のタイトル戦の番勝負における成績である。

通算

2日制でも6割台の獲得率であり、並の棋士なら好成績と言える。だが、1日制はなんと8割台!!という凄まじい勝ちっぷりである。数字の上でも2日制があまり得意ではないと言える。

中でも竜王戦では獲得よりも敗退の回数が多くなっている。これは羽生三冠の強さを考えると信じられないデータである。あまり相性がよくない棋戦なのだろうか。


次に過去10年に限ったデータを見てみたい。

過去10年

1日制は依然として好成績を残しているのに対し、2日制は5割強程度である。通算の獲得率と比較しても、ガクッと落ちてしまっている。


2日制が苦手な原因として、体力面が考えられる。羽生三冠は他の棋士と比べても、圧倒的に多忙である。どうしても疲れが出てきてしまうのかもしれない。特に30代に入った頃から、その傾向が強くなってきているのではないか。

多くのファンは羽生三冠が名人位に返り咲くことを期待している。苦手な2日制の克服が、シリーズの鍵を握ることとなりそうだ。




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プロフィール

gyan

Author:gyan
30代の男です。棋歴は20年位で、アマ二段の免状をいただいております。居飛車党で横歩取りが得意。羽生善治先生の大ファンです。

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